【過去問解説(企業経営理論)】H25 第4問 戦略的提携

今日は企業経営理論H25第4問について解説します。

H25 企業経営理論 第4問

他社と連携を考慮する企業にとって、企業としての独立性を維持し、企業間に緩やかで柔軟な結びつきをつくるには、戦略的提携が有効な戦略オプションのひとつである。戦略的提携に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 企業の評判に悪影響が起こる可能性は、戦略的提携における裏切りのインセンティブを抑制する要素となる。

イ 戦略的提携が希少性を有しても、低コストでの代替が可能であれば、その戦略的提携は持続的な競争優位をもたらさない。

ウ 戦略的提携によって、新たな業界もしくは業界内の新しいセグメントへ低コストで参入しようとするのは、企業間のシナジーを活用する試みとなる。

エ 戦略的提携を構築する際、その主要な課題はパートナーが提携関係を裏切る可能性を最小化しつつ、提携による協力から得られる恩恵を最大限に享受することである。

オ 内部開発による範囲の経済を実現するコストが戦略的提携によるコストよりも小さい場合、内部開発は戦略的提携の代替とはならない。

解説

今回は戦略的提携(アライアンス)について、最も不適切なものを選ぶ問題です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、裏切りのリスク説明ですが、やや難解な言い回しです。「 企業の評判に悪影響が起こる可能性」つまり、裏切り行為をした企業は世間から叩かれるで、「裏切りのインセンティブを抑制する」つまり、裏切り行為をしない方が得策になる。
よって、この選択肢は○と判断できます。

選択肢イは、その通りで競争力の源泉である希少性を低コストで代替可能であれば競合他社から模倣されますので、優位性は持続しません。
よって、この選択肢は○と判断できます。

選択肢ウは、自社単独で新しい事業分野へ参入する際には多大なコストを要する場合、提携により相手企業の経営資源を活用できれば低コストで参入できる可能性があります。
よって、この選択肢は○と判断できます。

選択肢エは、その通りで、裏切りのリスクを最小化しつつ恩恵を最大化することが課題となる。
よって、この選択肢は○と判断できます。

選択肢オは、戦略的提携常に裏切りのリスクがあり、自社の経営資源で低コストで代替できるのであれば、戦略提携の代替になりうる。
よって、この選択肢は×と判断できます。

以上から、正解は選択肢オとなります。

 

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