今日は企業経営理論H26第10問について解説します。
創業間もないベンチャー企業は、新製品や新サービスを受け入れる市場が一様ではなく、いくつかの異なったグループによって構成されていることに着目する必要がある。新製品・サービスの販売に悪戦苦闘する場合にみられる「市場の断層(キャズム)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 新しいモノ好きの層(イノベーター)や目利きの層(アーリー・アドプター)には受け入れられても、いかに流行に敏感な層(アーリー・マジョリティー)に受け入れられるかが課題である。
イ 新しいモノ好きの層(イノベーター)や流行に敏感な層(アーリー・マジョリティー)には受け入れられても、いかに無関心の層(ラガード)に受け入れられるかが課題である。
ウ 流行に敏感な層(アーリー・マジョリティー)には一時的に受け入れられても、新しいモノ好きの層(イノベーター)には受け入れられないという問題である。
エ 流行に敏感な層(アーリー・マジョリティー)の反応を見て、新しいモノ好きの層(イノベーター)や目利きの層(アーリー・アドプター)の反応を勘違いして判断してしまう問題である。
オ 流行に敏感な層(アーリー・マジョリティー)や流行を後追いする層(レイト・マジョリティー)には受け入れられても、いかに無関心の層(ラガード)に受け入れられるかが課題である。
解説
市場の断層(キャズム)についての問題です。
まとめシートには「普及理論とキャズム」にて詳しく紹介しています。普及の順番は以下の通りです。
・イノベーター(革新者)2.5%
・アーリーアダプター(初期採用者)13.5%
(キャズム)*ここを越えて普及することが課題
・アーリーマジョリティ(前期追従者)34%
・レイトマジョリティ(後期追従者)34%
・ラガード(採用遅滞者)16%
それでは選択肢を見ていきましょう。
選択肢アのはその通りで、上記の通り、アーリーアダプター初期採用者とアーリーマジョリティ前期追従者の溝を越えることが普及の課題でありキャズムと定義しています。よって、この選択肢は○と判断できます。念のため残りの選択肢も見ていきましょう。
選択肢イは普及理論では無関心の層(ラガード)へ浸透には言及していません。よって、選択肢は×と判断できます。
選択肢ウは「イノベーター」と「アーリーアダプター」の順序が逆です。よって、選択肢は×と判断できます。
選択肢エは数的に少ない「イノベーター」「アーリーアダプター」の反応をボリューム層の反応と勘違いをする問題があります。選択肢は×と判断できます。
選択肢オはイと同じくは普及理論では無関心の層(ラガード)へ浸透には言及していません。よって、選択肢は×と判断できます。
以上から、正解は選択肢アとなります。