【過去問解説(企業経営理論)】H26 第23問 労働基準法・就労規則

今日は企業経営理論H26第23問について解説します。

H26 企業経営理論 第23問

就業規則の記載事項に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 育児休業は、労働基準法に定められたものではないが、就業規則の絶対的必要記載事項のひとつである「休暇」に該当するので、対象となる労働者の範囲等の付与要件及び休業取得に必要な手続き並びに休業期間について、就業規則に記載する必要がある。

イ 退職金制度を設ける場合には、適用される労働者の範囲、退職金の決定、計算及び支払の方法並びに退職金の支払の時期について、就業規則に記載しなければならない。

ウ パートタイマー等、勤務態様、職種、本人の希望等によって始業及び終業の時刻が異なる労働者については、就業規則に基本となる始業及び終業の時刻を記載するとともに、具体的な各人ごとの始業及び終業の時刻については、個別の労働契約等で定める旨の委任規定を設けることでも差し支えない。

エ 労働基準法第89条第1号から第3号までの絶対的必要記載事項の一部、又は同条第号の以下の相対的必要記載事項中、当該事業場が適用を受けるべき事項を記載していない就業規則は、他の要件を具備していてもその全部が無効である。

解説

今回は労働基本法・就業規則からの問題です。
それでは早速選択肢を見ていきましょう。

選択肢アの絶対的記載事項には、休暇(年次有給休暇、産前産後休暇、生理休暇、冠婚葬祭等の特別休暇など)があります。
よって、この選択肢は〇と判断できます。

選択肢イの退職金制度は、任意設定ですが、設定した場合は、設問の通り適用される労働者の範囲、退職金の決定、計算及び支払の方法並びに退職金の支払の時期について、就業規則に記載しなければなりません。
よって、この選択肢は〇と判断できます。

選択肢ウは、絶対的記載事項に「労働日における始業と終業の時刻」があり、原則として記載が必要な事項ではありますが、設問の通り「本人の希望等によって始業及び終業の時刻が異なる労働者については、就業規則に基本となる始業及び終業の時刻を記載するとともに、具体的な各人ごとの始業及び終業の時刻については、個別の労働契約等で定める旨の委任規定を設けることでも差し支えない。」とされいます。
よって、この選択肢は〇と判断できます。

選択肢エは、労働基準法を逸脱する就業規則は無効となる原則はありますが「他の要件を具備していてもその全部が無効である。」となると労働者にとって不利益を被る可能性もあり、労働者保護観点から違和感があります。
よって、この選択肢は×と判断するのが妥当と考えます。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

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