【過去問解説(経営法務)】R2 第18問 民法における時効

今日は経営法務のR2第18問について解説します。

R2 経営法務 第18

時効に関する記述として、最も適切なものはどれか。
なお、「民法の一部を改正する法律」(平成 29 年法律第 44 号)により改正された民法が適用されるものとし、附則に定める経過措置及び特約は考慮しないものとする。
ア 飲食店の飲食料に係る債権は、 1 年間行使しないときは、消滅する。
イ 債権について催告がなされ、その後本来の時効期間が経過し、時効の完成が猶予されている間に、当該債権についての協議を行うことの合意が書面でされても、それに基づく時効の完成猶予の効力は生じない。
ウ 債権は、時効の完成猶予や更新がなければ、債権者が権利を行使することができることを知った時から 10 年間行使しないときに初めて時効によって消滅する。
エ 天災のため時効の更新をするための手続を行うことができないときには、その障害が消滅した時から 2 週間を経過して初めて時効は完成する。

解説

「民法の一部を改正する法律」(平成 29 年法律第 44 号)から時効に関する問題です。

一般の債権については、業種ごとに異なる短期の時効を廃止し、原則として「知った時から5年」(主観的起算点による消滅時効)とされたうえで、旧民法の「権利を行使することができる時から10年間」(客観的起算点による消滅時効)も有効であり、解答戦術上押さえておきたいです。

それでは早速各設問を見ていきましょう。

選択肢アについて、上記説明の通り、業種ごとに異なる短期の時効を廃止し、飲食料についても一般債権と同じ基準が適用されます。
この選択肢は×と判断できます。

選択肢イについて、時効の完成が一定期間だけ猶予される要件には、催告により6ヶ月間認められます。本来の時効を過ぎてから催告による延長6ヶ月の間に、協議を行うことの合意を文書化した場合であっても延長はできません。(民法151条)
この選択肢は○と判断できます。

選択肢ウについて、債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点による消滅時効)から5年です。
この選択肢は×と判断できます。

選択肢エについて、改正後民法では、第161条「天災等による時効の完成猶予」として、事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しないと改正されました。
この選択肢は×と判断できます。

以上から、正解は選択肢イと判断することができます。

 

 

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