【過去問解説(経済学)】H28 第23問 独占企業の屈曲需要曲線

今日は経済学のH28第23問について解説します。

H28 経済学 第23問

下図では、利潤最大化を目指す合理的な企業が直面する寡占市場を念頭において、点 E で屈曲する「屈折需要曲線」DEF が描かれている。この需要曲線の DE 部分に対応する限界収入曲線が線分 LM、EF 部分に対応する限界収入曲線が線分RS である。いま、当該市場で q1 の生産量を選択していた企業の限界費用曲線 MC1が MC2 へシフトしたものとする。下図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕
ア 限界費用曲線が MC2 へシフトしたことにより生産量を q1 から q2 へ増加させる。
イ 限界費用曲線が MC2 へシフトしたことにより生産量を q1 から q3 へ増加させる。
ウ 限界費用曲線が MC2 へシフトしても、価格は変わらない。
エ 限界費用曲線が MC2 へシフトすると、価格を p1 から p2 へ引き下げる。

 

解説

解説のために、点Eに対応する価格の点としてP3を追加しています。

独占企業の屈曲需要曲線の理論は、ある企業が価格を引き下げると、下げた企業の財は売れ、他社も価格を下げるため、最初に下げた企業の需要は伸びないので需要の曲線EF傾きが急になります。一方、ある会社が値段を上げても他社は価格を据え置く場合、価格を上げた企業の商品は売れなくなります。この場合は、需要曲線は曲線DEと需要曲線の傾が緩やかになり売り上げを大きく下げます。よって、需要曲線は、E点で屈曲するというものです。

限界費用曲線がMC1がMC2になっても、限界収入曲線LMと限界収入曲線RSの間(MR)にある場合は、生産量q1と、価格p3が有利になります。つまり、費用の変化がある程度あっても、価格がP3硬直することになります。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

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