今日は財務・会計のR2第6問について解説します。
C社はD社を吸収合併し、新たにC社株式200千株を交付した。合併期日におけるC社の株価は1株当たり 400 円であった。D社の貸借対照表は以下のとおりであった。商品の時価は24,000千円であったが、その他の資産および負債の時価は帳簿価額と同額である。C社は増加すべき株主資本のうち、 2分の1を資本金、残りを資本準備金とした。
合併に伴い発生するのれんと、増加する資本金の金額の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア のれん: 6,000 千円 資本金:37,000 千円
イ のれん: 6,000 千円 資本金:40,000 千円
ウ のれん:10,000 千円 資本金:37,000 千円
エ のれん:10,000 千円 資本金:40,000 千円
解説
企業合併の会計処理に関する問題です。
日商簿記2級レベルのパーチェス法による支配獲得時の仕訳を問われています。
手順1:D社の資産・負債を時価評価して、資産と負債の差額を計算します。
現預金10,000+売掛金35,000+商品24,000+建物40,000=資産の部合計109,000 ①
買掛金35,000=負債の部合計35,000 ②
資産と負債の差額①ー②=74,000 ③
手順2:C社の新規株式交付による価額④と③を比較して「のれん」を計算する。
C社の新規交付株数200×株価400円=80,000 ④
価額を比較すると③<④なので、買収した企業価値③を上回る価額を交付④をしたので「のれん」と判定します。
のれん:④ー③=6,000 (答え)
手順3:増加後の資産と負債の差引により、増加する資本金と資本準備金を計算します。
増加後の資産:①+のれん6,000=115,000 ⑤
負債 :②=35,000 ②
D社の合併により増加した株主資本:⑤ー②=80,000 ⑥
設問文の指示により、⑥の1/2を資本金とする:⑥÷2=40,000(答え)
以上から、正解は選択肢イです。