今日は、令和7年度 第3問について解説します。
賃貸物件の修繕に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 賃貸借契約において、賃貸人の修繕義務を免除し賃借人に修繕義務を課す特約も有効である。
② 賃借人の子である幼稚園児が賃貸物件の排水管を詰まらせた場合、責任能力のない者の行為であるため賃借人が責任を負うことはなく、賃貸人に修繕義務が課される。
③ 賃貸人が修繕を怠ったことにより賃貸物件を全く使用収益することができなかった場合、賃借人はその期間の賃料支払義務を免れる。
④ 賃貸人の修繕義務違反により賃借人に損害が発生した場合でも、賃借人が損害を回避又は減少させる措置をとることができたと解される時期以降の損害については、全ての賠償を請求できるとは限らない。
解説
修繕義務に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
賃貸借契約において、賃貸人の修繕義務を免除し賃借人に修繕義務を課す特約も有効である。
〇適切です。
貸主は、目的物を借主に使用・収益させるために、建物の修繕を行う義務を負います。
ただし、貸主の修繕義務を免除して、借主のが修繕義務を負担する特約も有効に成立します。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
賃借人の子である幼稚園児が賃貸物件の排水管を詰まらせた場合、責任能力のない者の行為であるため賃借人が責任を負うことはなく、賃貸人に修繕義務が課される。
×不適切です
借主は、目的物について善良な管理者の注意をもって保管する義務(善管注意義務)を負います。
この義務は、借主本人だけでなく、家族や同居人などの履行補助者にも及び、その違反については借主が責任を負います。
つまり、賃借人の子である幼稚園児が賃貸物件の排水管を詰まらせた場合、履行補助者の行為であるため賃借人が責任を負うこととなり、賃借人に修繕義務が課されます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
賃貸人が修繕を怠ったことにより賃貸物件を全く使用収益することができなかった場合、賃借人はその期間の賃料支払義務を免れる。
〇適切です。
貸主が修繕義務を怠ったことにより、借主が目的物を全く使用できなかったときは、その期間中の賃料の支払い義務を免れます。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
賃貸人の修繕義務違反により賃借人に損害が発生した場合でも、賃借人が損害を回避又は減少させる措置をとることができたと解される時期以降の損害については、全ての賠償を請求できるとは限らない。
〇適切です。
貸主が修繕義務を果たさないことによって借主に損害が生じた場合には、借主は貸主に対して損害賠償を請求することができます。
ただし、借主が損害を回避、または減少させる措置をとることができたと判断される時期以降の損害のすべての損害について賠償を請求できるわけではありません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢②となります。
