今日は、令和7年度 第5問について解説します。
賃貸借契約の終了に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 賃貸人が期間の定めのある建物賃貸借契約を期間の満了をもって更新せず終了させる場合、更新拒絶には正当事由の具備が必要となるところ、正当事由は具備されてから6か月間持続しなければならない。
② 期間の定めのある建物賃貸借契約において、賃貸人が更新拒絶により賃貸借契約を終了させるためには正当事由の具備が必要となるところ、いわゆる立退料の提供の申出は正当事由の主たる要素となり、賃貸人及び賃借人各自が賃貸物件の使用を必要とする事情は、補完的要素として考慮されるに過ぎない。
③ 期間内解約の定めのない、期間の定めのある建物賃貸借契約においては、賃借人に限り期間内解約を申し出ることができる。
④ 期間の定めのない建物賃貸借契約において、賃借人が解約を申し入れた場合、解約申入日から6か月を経過しなければ、同契約は終了しない。
解説
建物賃貸借契約の終了に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
賃貸人が期間の定めのある建物賃貸借契約を期間の満了をもって更新せず終了させる場合、更新拒絶には正当事由の具備が必要となるところ、正当事由は具備されてから6か月間持続しなければならない。
〇適切です。
更新拒絶を行う場合は、その時点で正当事由が存在しており、その後6か月間持続する必要があります。
ただし、更新拒絶や解約申入れの時点では正当事由が存在していなかった場合であっても、その後に事情の変化が生じ、正当事由が備わり、かつそれが6か月間継続したときには、更新拒絶の効力が認められるものとされています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
期間の定めのある建物賃貸借契約において、賃貸人が更新拒絶により賃貸借契約を終了させるためには正当事由の具備が必要となるところ、いわゆる立退料の提供の申出は正当事由の主たる要素となり、賃貸人及び賃借人各自が賃貸物件の使用を必要とする事情は、補完的要素として考慮されるに過ぎない。
×不適切です
正当事由があるかどうかの基本的な判断基準となるのは、貸主と借主それぞれの建物の使用を必要とする事情です。
なお、立退料の提供だけでは正当事由を満たすとはされず、正当事由を補完する要素として扱われます。
つまり、期間の定めのある建物賃貸借契約において、賃貸人が更新拒絶により賃貸借契約を終了させるためには正当事由の具備が必要となるところ、いわゆる立退料の提供の申出は正当事由の補完的な要素として考慮されるに過ぎず、賃貸人及び賃借人各自が賃貸物件の使用を必要とする事情は、主たる要素となります。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
期間内解約の定めのない、期間の定めのある建物賃貸借契約においては、賃借人に限り期間内解約を申し出ることができる。
×不適切です
期間内解約条項を設けていない、期間の定めがある賃貸借契約では、貸主・借主いずれからの場合であっても、原則として契約期間中に契約を解約することはできません。
つまり、期間内解約の定めのない、期間の定めのある建物賃貸借契約においては、原則として貸主・借主いずれからの場合であっても期間内解約を申し出ることはできません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
期間の定めのない建物賃貸借契約において、賃借人が解約を申し入れた場合、解約申入日から6か月を経過しなければ、同契約は終了しない。
×不適切です
期間の定めがない賃貸借契約では、借主から解約を申入れた場合、申入れの日から3か月が経過すると契約は終了します。
つまり、期間の定めのない建物賃貸借契約において、賃借人が解約を申し入れた場合、解約申入日から3か月月を経過することによって同契約は終了します。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
