今日は、平成27年度 第39問について解説します。
建築物の換気設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 自然換気は、室内と室外の温度差による対流や風圧等を利用した換気方式である。
② 機械換気の第1種換気は、居室に設けられる熱交換型換気設備等に採用される。
③ 機械換気の第2種換気は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染空気が入らない。
④ 新築建物は、ごく一部の例外を除いて、24時間稼働する機械換気設備の設置が義務付けられている。
解説
換気設備に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
自然換気は、室内と室外の温度差による対流や風圧等を利用した換気方式である。
〇適切です。
自然換気とは、室内と室外の温度差による対流や風圧など、自然の条件を利用した換気方式です。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
自然換気は、換気扇や送風機などの機械を使用しないため、騒音がなく経済的ですが、建物内外の自然条件に左右されやすく、安定した換気量や換気圧力を期待することはできません。
選択肢 ②
機械換気の第1種換気は、居室に設けられる熱交換型換気設備等に採用される。
〇適切です。
第1種換気は、給気にも排気にもファンを用いる方式です。
居室に設けられる熱交換型換気設備や、機械室、電気室などで採用されています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
機械換気の第2種換気は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染空気が入らない。
×不適切です
第2種換気は、給気側のみにファンを設け、排気は機械のない排気口で行う方式で、室内へ清浄な空気を供給します。
室内は正圧となり、病院の手術室やクリーンルーム、製造工場などで利用されています。
なお、室内が負圧となり、他の部屋へ汚染空気が入らない機械換気は第3種換気です。
つまり、機械換気の第2種換気は、室内が正圧になるため、室内へ清浄な空気を供給することができます(機械換気の第3種換気は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染空気が入りません。)。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
新築建物は、ごく一部の例外を除いて、24時間稼働する機械換気設備の設置が義務付けられている。
〇適切です。
新築建物では、ごく一部の例外を除き、シックハウスの原因となる揮発性有機化合物の除去対策として、24 時間稼働する機械換気設備の設置が建築基準法により義務付けられています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢③となります。
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