今日は、平成28年度 第26問について解説します。

平成28年度賃貸不動産経営管理士試験 第26

鍵の管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

①  前の借主が使っていた鍵を交換しないまま新しい借主に物件を引き渡すと、盗難等のトラブルの原因となることがある。


②  ロータリー(U9)シリンダー鍵は、以前は広く普及していたが、ピッキング被害が増加したため、現在は製造が中止されている。


③  何らかの方法で鍵を入手し、盗難品の受渡しを行う等、空室の賃貸住宅が犯罪に利用されるケースが発生している。


④  管理業者にて賃貸不動産の鍵を保管せず、万ーのときには専門の解錠業者に解錠させるという賃貸管理の方法もある。

 

 

解説

鍵の管理に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

前の借主が使っていた鍵を交換しないまま新しい借主に物件を引き渡すと、盗難等のトラブルの原因となることがある。

 

〇適切です。

貸主には、借主が安全に居住できる物件を提供する責任があるため、従前の借主が退去し、新しい借主に賃貸する際には、錠を新しいものに交換する必要があります。

選択肢の説明のように、もし前の借主が使っていた鍵を交換しないまま新しい借主に物件を引き渡した場合、盗難や浸入などのトラブルの原因となることがありますので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ②

ロータリー(U9)シリンダー鍵は、以前は広く普及していたが、ピッキング被害が増加したため、現在は製造が中止されている。

 

×不適切です

選択肢に記載の、以前は広く普及していたものの、ピッキング被害が増加したため現在は製造が中止されているのは、ディスクシリンダーです。

なお、ロータリー(U9)シリンダーは、ディスクシリンダーの製造中止後に最も普及しているタイプで、不動産業界では一般的に「ユーナイン」と呼ばれています。

つまり、ディスクシリンダーは、以前は広く普及していたが、ピッキング被害が増加したため、現在は製造が中止されています。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ③

何らかの方法で鍵を入手し、盗難品の受渡しを行う等、空室の賃貸住宅が犯罪に利用されるケースが発生している。

 

〇適切です。

空き家が特殊詐欺や違法薬物の取引などの犯罪に悪用されるケースがあります。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

なお、警察庁、財務省(税関)、国土交通省が協力し、不動産業界に対して空室が犯罪に利用されないよう対策を講じることを呼び掛けています。

 


選択肢 ④

管理業者にて賃貸不動産の鍵を保管せず、万ーのときには専門の解錠業者に解錠させるという賃貸管理の方法もある。

 

〇適切です。

管理業者は、1つの鍵で複数の錠を開けられるマスターキーを保管することがあり、非常事態が発生したときや貸主の指示があったときに使用します。
マスターキーは特別な鍵であるため、紛失や悪用などの事故が起こらないよう厳重な管理と保管が求められます。

選択肢の説明の通り、鍵管理のリスク回避のため管理業者にて賃貸不動産で鍵を保管せず、万ーのときには専門の解錠業者に解錠させるという賃貸管理の方法もありますので、この選択肢は適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢②となります。

 

 

 

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