今日は、賃貸不動産経営管理士試験 令和2年度 第37問について解説します。
建物の修繕履歴と履歴情報に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 修繕履歴は、次の修繕を企画する上で、重要な情報となる。
② 建物が長期にわたり必要な機能を維持して、収益性を保持するためには、日常の点検管理と計画的な修繕が必要不可欠である。
③ 賃貸管理では、建物の劣化状態について外観調査を手掛かりに修繕の必要性を判断し、効果的な修繕計画を立案することが求められるが、見えない部分は考慮しなくてよい。
④ 賃貸建物については、退去時の敷金精算等も視野に入れ、賃貸時の原状等について、客観的なデータを履歴情報として保存しておくことは重要である。
解説
建物の修繕履歴と履歴情報に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
修繕履歴は、次の修繕を企画する上で、重要な情報となる。
〇適切です。
選択肢の説明の通り、修繕履歴は、次の修繕を企画するうえで重要な情報となりますので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
建物が長期にわたり必要な機能を維持して、収益性を保持するためには、日常の点検管理と計画的な修繕が必要不可欠である。
〇適切です。
選択肢の説明のとおり、建物が長期にわたり必要な機能を維持して、収益性を保持するためには、日常の点検管理と計画的な修繕が必要不可欠ですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
賃貸管理では、建物の劣化状態について外観調査を手掛かりに修繕の必要性を判断し、効果的な修繕計画を立案することが求められるが、見えない部分は考慮しなくてよい。
×不適切です。
賃貸住宅管理においては、建物の劣化状態を正確に把握し、外観調査だけではなく、見えない部分も考慮した修繕計画を立案することが求められます。
そのため、資材や施工方法、過去の修繕内容などの情報を記録・管理することが重要です。
つまり、賃貸管理では、建物の劣化状態について外観調査を手掛かりに、見えない部分も含めて修繕の必要性を判断し、効果的な修繕計画を立案することが求められます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
賃貸建物については、退去時の敷金精算等も視野に入れ、賃貸時の原状等について、客観的なデータを履歴情報として保存しておくことは重要である。
〇適切です。
履歴情報には、賃貸時の原状に関する情報も保存しておくことが重要であり、特に退去時の敷金精算等を見据えて、客観的に記録・管理することが求められます。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢③となります。