今日は、令和7年度 第2問について解説します。
サブリースに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
なお、本問において「原賃貸借契約」とは、賃貸人(建物所有者)と賃借人との契約関係を指し、「転貸借契約」とは、転貸人(賃借人)と転借人との契約関係を指すものとする。
ア 建物所有者が賃貸不動産を不動産業者に賃貸し、不動産業者が転借人に当該賃貸不動産を転貸するサブリース事業において、建物所有者が原賃貸借契約の期間満了時に同契約の更新を拒絶することについては、借地借家法第28条の正当事由が求められない。
イ 原賃貸借契約における月額賃料が30万円で、転貸借契約における月額賃料が40万円の場合、賃借人が支払期日までに賃料を支払わないときは、賃貸人は転借人に30万円の支払を直接請求できる。
ウ 台風による飛来物により賃貸物件の窓ガラスが破損し転借人が修繕した場合、転借人は転貸借契約に基づき、原賃貸借契約の賃貸人に修繕費用を直接請求することができる。
エ 原賃貸借契約の賃貸人と転貸人が同契約を合意解除した場合、賃貸人は原賃貸借契約の解除を転借人に対抗できる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
解説
サブリース(転貸借)に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ア
建物所有者が賃貸不動産を不動産業者に賃貸し、不動産業者が転借人に当該賃貸不動産を転貸するサブリース事業において、建物所有者が原賃貸借契約の期間満了時に同契約の更新を拒絶することについては、借地借家法第28条の正当事由が求められない。
×不適切です
建物所有者と、転借人の間の原賃貸借契約には、借地借家法が適用されます。
したがって、契約の更新や解除、賃料の増減請求などに関する規定も、借地借家法に従って処理されます。
つまり、建物所有者が賃貸不動産を不動産業者に賃貸し、不動産業者が転借人に当該賃貸不動産を転貸するサブリース事業において、建物所有者が原賃貸借契約の期間満了時に同契約の更新を拒絶することについては、借地借家法第28条の正当事由が求められます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 イ
原賃貸借契約における月額賃料が30万円で、転貸借契約における月額賃料が40万円の場合、賃借人が支払期日までに賃料を支払わないときは、賃貸人は転借人に30万円の支払を直接請求できる。
〇適切です。
建物所有者(貸主)が転貸借を承諾していて、転貸関係が有効に成立している場合には、貸主は転借人(入居者)に対しても直接、賃料の支払いを求めることができます。
ただし、請求できる賃料の額には上限があり、貸主が転借人に対して請求できるのは、転貸人の債務の範囲に限られており、
具体的には、原賃貸借契約における賃料と、転貸借契約における転借料のいずれか低い方の金額までとなります。
選択肢の説明のとおり、原賃貸借契約における月額賃料が30万円で、転貸借契約における月額賃料が40万円の場合、賃貸人は転借人に30万円の支払を直接請求することができますので、この選択肢は適切です。
選択肢 ウ
台風による飛来物により賃貸物件の窓ガラスが破損し転借人が修繕した場合、転借人は転貸借契約に基づき、原賃貸借契約の賃貸人に修繕費用を直接請求することができる。
×不適切です
台風による飛来物によって賃貸物件の窓ガラスが破損して、借主が修繕した場合の修繕費用は、必要費に該当します。
借主が必要費を支出した場合には、貸主に対して直ちに償還を請求することができます。
転貸借の場合は、転貸人が転借人に対して目的物を使用させる義務を負いますので、転借人による必要費の請求は転貸人に対して行うことになります。
つまり、台風による飛来物により賃貸物件の窓ガラスが破損し転借人が修繕した場合、転借人は転貸借契約に基づき、転貸人に修繕費用を請求することができます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 エ
原賃貸借契約の賃貸人と転貸人が同契約を合意解除した場合、賃貸人は原賃貸借契約の解除を転借人に対抗できる。
×不適切です
原賃貸人と転貸人の間で合意により原賃貸借契約を解除した場合は、賃貸借の終了を転借人に対抗することができず、明渡しを請求することはできません。
つまり、原賃貸借契約の賃貸人と転貸人が同契約を合意解除した場合、賃貸人は原賃貸借契約の解除を転借人に対抗することができません。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正しい選択肢はイの1つのみですので、正解は選択肢①となります。
