今日は、平成29年度 第40問について解説します。
換気設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)の除去対策として、すべての住宅は、24時間稼働する機械換気設備の設置が義務付けられている。
② 機械換気方式は、換気扇や送風機等の機械を利用して強制的に換気する方式のことである。
③ シックハウス症候群は、建材や家具、日用品等から発散するホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)等が原因だと考えられている。
④ 自然換気方式は、室内と室外の温度差による対流や、風圧等の自然条件を利用した換気方式のことである。
解説
換気設備に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)の除去対策として、すべての住宅は、24時間稼働する機械換気設備の設置が義務付けられている。
×不適切です
シックハウス対策の観点から、原則としてすべての建築物に機械換気設備の設置が義務づけられており、住宅の居室の場合、換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(24時間換気システムなど)の設置が必要となります。
ただし、この規定は2003年7月1日以降に着工された居室を有する建築物の新築および中古住宅の増改築や大規模な修繕・模様替えの際に適用されるものです。それ以前に建てられた既存住宅までは対象外であり、すべての住宅に一律で義務づけられているわけではありません。
つまり、シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)の除去対策として、2003年7月1日以降に着工された住宅(中古住宅の増改築や大規模な修繕・模様替えも含む)は、24時間稼働する機械換気設備の設置が義務付けられています。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
機械換気方式は、換気扇や送風機等の機械を利用して強制的に換気する方式のことである。
〇適切です。
選択肢の説明のとおり、 機械換気は、換気扇や送風機などの機械を用いて、強制的に空気を出し入れする換気方式ですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
シックハウス症候群は、建材や家具、日用品等から発散するホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)等が原因だと考えられている。
〇適切です。
建築材料や家具、日用品などから発散される化学物質によって、頭痛や吐き気などの症状が引き起こされることがあり、これをシックハウス症候群といいます。
主な原因物質は、ホルムアルデヒドのほか、トルエンやキシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)と考えられています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
自然換気方式は、室内と室外の温度差による対流や、風圧等の自然条件を利用した換気方式のことである。
〇適切です。
選択肢の説明のとおり、自然換気方式は、室内と室外の温度差による対流や風圧など、自然の条件を利用した換気方式ですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
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