今日は、平成30年度 第34問について解説します。

平成30年度賃貸不動産経営管理士試験 第34

保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

①  保険は、将来起こるかもしれない危険に備える合理的な防衛策のひとつであるが、中でも賃貸不動産の経営においては、損害保険の知識が有用である。


②  賃貸不動産の建物所有者が火災保険に加入する場合、主契約である火災保険の保険金額の8割以内の範囲で地震保険にも加入しておくことが一般的である。


③  住宅に関する火災保険である「すまいの保険」は、火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災により建物や家財に生じた損害に備える保険である。


④  保険は、保険会社の商品によって特性が異なるので、関係者に適切なアドバイスをするためには、その内容をよく理解しておく必要がある。

 

 

解説

保険に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

保険は、将来起こるかもしれない危険に備える合理的な防衛策のひとつであるが、中でも賃貸不動産の経営においては、損害保険の知識が有用である。

 

〇適切です。

保険とは、将来起こるかもしれない事故や災害などの危険に備える、相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度です。
賃貸不動産経営には多様なリスクが存在しますが、保険に加入することで、それらのリスクを一定程度軽減・分散することができます。

中でも賃貸不動産経営においては、第2分野に分類される損害保険が特に関係の深い保険です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ②

賃貸不動産の建物所有者が火災保険に加入する場合、主契約である火災保険の保険金額の8割以内の範囲で地震保険にも加入しておくことが一般的である

 

×不適切です。

地震保険は、地震、噴火、津波を原因とする建物や家財への損害を補償する保険です。
火災保険に付帯して加入するものであり、単独では加入することができません。

地震保険の保険金額は、主契約である火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で設定され、居住用建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度とされています。

つまり、賃貸不動産の建物所有者が火災保険に加入する場合、主契約である火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内(居住用建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度)で地震保険に加入することができます。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ③

住宅に関する火災保険である「すまいの保険」は、火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災により建物や家財に生じた損害に備える保険である。

 

〇適切です。※注意が必要な選択肢です

すまいの保険には、火災や風水害などの自然災害によって建物や家財に損害が発生した場合に、その損害を補償する「火災保険」と、地震・噴火またはこれらによる津波によって建物や家財に損害が発生した場合に、その損害を補償する「地震保険」があります。
(日本損害保険協会「損害保険Q&A」より引用)

選択肢の説明の通り、「すまいの保険」は、火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災により建物や家財に生じた損害に備える火災保険がありますので、この選択肢は適切です。

 

ただし、選択肢の書きぶりだと「すまいの保険=火災保険」と読み取れなくもない点に注意が必要です。

実際、令和7年度公式テキスト(P850)には、「火災保険と、地震保険をあわせてすまいの保険といわれている」旨の説明があり、用語の使い方として誤解が生じないよう留意したいところです。

 


選択肢 ④

保険は、保険会社の商品によって特性が異なるので、関係者に適切なアドバイスをするためには、その内容をよく理解しておく必要がある。

 

〇適切です。

選択肢の説明の通り、保険は、保険会社の商品によって特性が異なるので、関係者に適切なアドバイスをするためには、その内容をよく理解しておく必要がありますので、この選択肢は適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢②となります。

本問は「最も不適切なものを選ぶ」問題です。
表現上の解釈に幅がある③よりも、制度上の誤りが明確な②を選ぶのが妥当といえます。

 

ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

★関連解説★

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