今日は、宅地建物取引士試験 令和2年度(12月) 第28問について解説します。

令和2年度と3年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置として、受験者分散の目的で10月と12月の2回試験が実施されました。

 

★出題テーマ【宅建業法-媒介】★

令和2年度(12月)宅地建物取引士試験 第28

宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「専任媒介契約」とは、専属専任媒介契約ではない専任媒介契約をいうものとする。

 

ア AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、Bの要望により当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約をしているときを除き、Aは、当該契約締結日から7日以内(Aの休業日を含まない。)に、当該宅地の所在等を指定流通機構に登録しなければならない。

 
イ AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。


ウ AがBとの間で一般媒介契約を締結し、当該契約において、Bが他の宅地建物取引業者に重ねて依頼するときは当該他の宅地建物取引業者を明示する義務がある旨を定める場合、Aは、Bが明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買の契約を成立させたときの措置を宅地建物取引業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。


エ AがBとの間で一般媒介契約を締結した場合、AがBに対し当該宅地の価額について意見を述べるときは、不動産鑑定士に評価を依頼して、その根拠を明らかにしなければならない。

 

1  一つ

2  二つ

3  三つ

4  四つ 

 

 

解説

媒介契約に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。

 


選択肢 ア

AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、Bの要望により当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約をしているときを除き、Aは、当該契約締結日から7日以内(Aの休業日を含まない。)に、当該宅地の所在等を指定流通機構に登録しなければならない。

 

×不適切です。

専任媒介契約では契約締結の日から7日以内に登録しなければなりません。
なお、宅建業者の休業日数は含みません。

また、指定流通機構への登録義務は宅建業法上の規定であり、これに反する特約は無効となります。

つまり、AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、Aは、当該契約締結日から7日以内(Aの休業日を含まない。)に、当該宅地の所在等を指定流通機構に登録しなければなりません(当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約は無効です)。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 イ

AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。

 

×不適切です。

宅建業者は依頼者に対して、専任媒介契約では2週間に1回以上の頻度で、業務の処理状況を報告しなければなりません。

つまり、AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ウ

AがBとの間で一般媒介契約を締結し、当該契約において、Bが他の宅地建物取引業者に重ねて依頼するときは当該他の宅地建物取引業者を明示する義務がある旨を定める場合、Aは、Bが明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買の契約を成立させたときの措置を宅地建物取引業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。

 

〇適切です。

一般媒介契約は、重ねて依頼する宅建業者を明示する必要がある明示型と、明示する必要がない非明示型とに分かれます。

明示型の一般媒介契約では、依頼者が明示していない他の宅建業者の媒介・代理によって売買・交換の契約を成立させた場合は、
媒介契約違反に該当します。
依頼者が媒介契約の内容に違反して契約を成立させた場合の措置については、媒介契約書(法34条の2第1項の規定に基づく書面)に記載すべき事項です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 エ

AがBとの間で一般媒介契約を締結した場合、AがBに対し当該宅地の価額について意見を述べるときは、不動産鑑定士に評価を依頼して、その根拠を明らかにしなければならない。

 

×不適切です。

宅建業者は、依頼者に対して物件の価額または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりません。
意見の根拠としては、価格査定マニュアルや、同種の取引事例によるなど、合理的な説明がつくものであることとされていますが、必ずしも不動産鑑定士による評価である必要はありません。

つまり、AがBとの間で一般媒介契約を締結した場合、AがBに対し当該宅地の価額について意見を述べるときは、価格査定マニュアルや同種の取引事例によるなど、合理的な説明がつくものによって、その根拠を明らかにしなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、適切な選択肢はウの1つですので、正解は選択肢①となります。

 

 

 

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