今日は、宅地建物取引士試験 平成28年度 第27問について解説します。
★出題テーマ【宅建業法-媒介】★
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地の売却に係る媒介を依頼された場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において一般媒介契約とは、専任媒介契約でない媒介契約をいう。
① AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該一般媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、法第34条の2第1項に規定する書面に記載する必要はない。
② AがBと専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立しても、当該宅地の引渡しが完了していなければ、売買契約が成立した旨を指定流通機構に通知する必要はない。
③ AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買の媒介を担当するAの宅地建物取引士は、法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印する必要はない。
④ Aは、Bとの間で締結した媒介契約が一般媒介契約であるか、専任媒介契約であるかを問わず、法第34条の2第1項に規定する書面に売買すべき価額を記載する必要はない。
解説
媒介契約に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該一般媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、法第34条の2第1項に規定する書面に記載する必要はない。
×不適切です。
媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別は、媒介契約書(法34条の2第1項の規定に基づく書面)に記載すべき事項です。
一般媒介契約か専任媒介契約は問わず、記載する必要があります。
つまり、AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該一般媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、法第34条の2第1項に規定する書面に記載する必要があります。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
AがBと専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立しても、当該宅地の引渡しが完了していなければ、売買契約が成立した旨を指定流通機構に通知する必要はない。
×不適切です。
専任媒介契約の場合は、契約の相手方を探索するために、一定の期間内に、指定流通機構に所定の事項を登録する義務があります。
宅建業者は、登録した物件の売買または交換の契約が成立したときは、遅滞なくその旨を指定流通機構に通知しなければなりません。
つまり、AがBと専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立したときは遅滞なく、売買契約が成立した旨を指定流通機構に通知する必要があります。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買の媒介を担当するAの宅地建物取引士は、法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印する必要はない。
〇適切です。
一般媒介契約でも専任媒介契約でも、媒介契約書(法34条の2第1項の規定に基づく書面)に記名押印をする必要があるのは宅建業者であり、宅建士が記名押印をする必要はありません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
Aは、Bとの間で締結した媒介契約が一般媒介契約であるか、専任媒介契約であるかを問わず、法第34条の2第1項に規定する書面に売買すべき価額を記載する必要はない。
×不適切です。
物件を売買すべき価額は、媒介契約書(法34条の2第1項の規定に基づく書面)に記載すべき事項です。
一般媒介契約か専任媒介契約は問わず、記載する必要があります。
つまり、Aは、Bとの間で締結した媒介契約が一般媒介契約であるか、専任媒介契約であるかを問わず、法第34条の2第1項に規定する書面に売買すべき価額を記載する必要があります。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢③となります。
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