今日は、令和4年度 第40問について解説します。

令和4年度賃貸不動産経営管理士試験 第40

特定賃貸借契約重要事項説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

① 特定賃貸借契約において家賃改定日を定める場合はその旨を説明すればよく、これに加えて借地借家法に基づく減額請求について説明する必要はない。

 

② 特定賃貸借契約を賃貸人と特定転貸事業者との協議の上で更新することができることとする場合は、その旨を説明すればよく、更新拒絶に正当な事由が必要である旨を説明する必要はない。

 

③ 特定賃貸借契約が終了した場合に賃貸人が特定転貸事業者の転貸人の地位を承継することとする定めを設ける場合は、その旨に加えて、賃貸人が転貸人の地位を承継した場合に正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないことを説明しなければならない。

 

④ 特定賃貸借契約を定期建物賃貸借契約によらない建物賃貸借とする場合は、その旨に加えて、契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないことを説明しなければならない。

 

 

 

解説

特定賃貸借契約の重要事項説明に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


 

選択肢 ①

特定賃貸借契約において家賃改定日を定める場合はその旨を説明すればよく、これに加えて借地借家法に基づく減額請求について説明する必要はない

 

×不適切です。

 

貸主に払う家賃の額、支払期日、支払方法等の賃貸の条件やその変更に関する事項は、特定賃貸借契約の重要事項説明において書面に記載して説明すべき事項です。

まとめシートでは以下の通り解説しています。

なお、契約上家賃改定日が定められていても、借地借家法による減額請求が可能であることについての説明も必要とされています。

つまり、特定賃貸借契約において家賃改定日を定める場合はその旨を説明するとともに、これに加えて借地借家法に基づく減額請求について説明する必要があります。よってこの選択肢は不適切です。


 

選択肢 ②

特定賃貸借契約を賃貸人と特定転貸事業者との協議の上で更新することができることとする場合は、その旨を説明すればよく、更新拒絶に正当な事由が必要である旨を説明する必要はない

 

×不適切です。

特定賃貸借契約の更新および解除に関する事項は、特定賃貸借契約の重要事項説明において書面に記載して説明すべき事項です。

両者協議のうえ更新できるなどといった、更新方法等に関する定めについて説明する必要がありますが、借地借家法の定めにより、貸主から更新拒絶をする場合は正当事由が必要であることについても説明する必要があるとされています。

つまり、特定賃貸借契約を賃貸人と特定転貸事業者との協議の上で更新することができることとする場合は、その旨を説明するとともに、更新拒絶に正当な事由が必要である旨を説明する必要があります。よってこの選択肢は不適切です。


 

選択肢 ③

特定賃貸借契約が終了した場合に賃貸人が特定転貸事業者の転貸人の地位を承継することとする定めを設ける場合は、その旨に加えて、賃貸人が転貸人の地位を承継した場合に正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないことを説明しなければならない。

 

〇適切です。

特定賃貸借契約が終了した場合における、権利義務の承継に関する事項は、特定賃貸借契約の重要事項説明において書面に記載して説明すべき事項です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

なお、貸主が転貸人である特定転貸事業者の地位を承継した場合に、正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないことや、敷金返還債務を承継すること等についても説明する必要があります。


 

選択肢 ④

特定賃貸借契約を定期建物賃貸借契約によらない建物賃貸借とする場合は、その旨に加えて、契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないことを説明しなければならない

 

×不適切です。

契約期間に関する事項は、特定賃貸借契約の重要事項説明において、書面に記載して説明すべき事項です。
特定賃貸借契約の始期、終期、期間、契約の類型、すなわち普通借家契約なのか定期借家契約なのかに加え、契約期間は家賃が固定される期間ではないことを説明する必要があります。

普通建物賃貸借では、「一定期間、賃料を減額しない」という不減額特約は効力が認められません。
そのため、契約で家賃改定日や一定期間の減額不可が定められている場合であっても、借地借家法32条に基づき、特定転貸事業者は家賃減額請求ができることを説明し、貸主が「家賃減額はされない」と誤認しないようにする必要があります。

ただし、本肢のように、「契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないこと」そのものを説明することまでは求められていません。

つまり、特定賃貸借契約を定期建物賃貸借契約によらない建物賃貸借(普通建物賃貸借契約)とする場合は、その旨に加えて、契約期間は家賃が固定される期間ではないということを説明しなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢③となります。

 

特に選択肢④については、少しわかりづらい言い回しになっているため、難易度が高く感じるでしょうか。

試験対策としては、説明すべきとされている事項と一緒に、それに関してさらに説明が必要とされていることをセットでおさえておくと良いですね。

 

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2件のフィードバック

  1. 令和4年度賃貸不動産経営管理士試験 第40問、問4の解答説明

    なお普通借家契約の場合、借地借家法の定めにより家賃を減額しないという『特約は無効』となりますが⋯

    →家賃を減額しない旨の『特約を定めること自体は可能』である。しかし、借地借家法32条による借賃減額請求権を排除することはできない。ではないでしょうか?

    1. コメントありがとうございます。
      ご指摘いただき、誠にありがとうございます。

      おっしゃるとおり、普通建物賃貸借では、不減額特約は効力が認められず、その特約によって借地借家法32条の減額請求権を排除することはできません。
      公式テキストでも、「一定の期間賃料を減額しない旨の特約については、その効力は認められない。不減額特約が定められていても、賃借人は賃料減額請求をすることができる。」と整理されています。
      したがって、本文中の「不減額特約は無効」という表現は、試験対策上の整理としては誤りではありませんが、より正確には「不減額特約は効力が認められず、その特約によって借地借家法32条の減額請求権を排除することはできない」という意味になります。

      ご指摘を踏まえ、本文の表現をより正確な形に修正いたしました。

      契約期間に関する事項は、特定賃貸借契約の重要事項説明において、書面に記載して説明すべき事項です。
      特定賃貸借契約の始期、終期、期間、契約の類型、すなわち普通借家契約なのか定期借家契約なのかに加え、契約期間は家賃が固定される期間ではないことを説明する必要があります。
      普通建物賃貸借では、「一定期間、賃料を減額しない」という不減額特約は効力が認められません。
      そのため、契約で家賃改定日や一定期間の減額不可が定められている場合であっても、借地借家法32条に基づき、特定転貸事業者は家賃減額請求ができることを説明し、貸主が「家賃減額はされない」と誤認しないようにする必要があります。

      ただし、本肢のように、「契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないこと」そのものを説明することまでは求められていません。

      つまり、特定賃貸借契約を定期建物賃貸借契約によらない建物賃貸借(普通建物賃貸借契約)とする場合は、その旨に加えて、契約期間は家賃が固定される期間ではないことを説明しなければなりません。

      今後も、より正確でわかりやすい情報をお届けできるよう努めてまいります。
      引き続きブログをご覧いただけましたら幸いです。

      このたびは本当にありがとうございました。
      今後ともよろしくお願いいたします。

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