今日は、平成28年度 第32問について解説します。

平成28年度賃貸不動産経営管理士試験 第32

昇降機設備·機械式駐車場設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

①  エレベーターの保守契約におけるPOG契約(パーツ・オイル&グリース契約)は、契約範囲外の部品の取替えや機器の修理は別料金となるので、経年劣化により費用が増加することはない。


②  エレベーターの保守契約におけるフルメンテナンス契約は、部品の取替えや機器の修理を状況に合わせて行う内容で、月々の契約は割高となる。


③  建物の所有者又は管理者は、特定行政庁が定める時期に、昇降機定期点検報告書を提出しなければならない。


④  機械式駐車場設備は、その構造や規模により、不活性ガス消火設備、泡消火設備、ハロゲン化物消火設備等の設置が義務付けられている。

 

 

解説

昇降機設備と機械式駐車場設備に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

エレベーターの保守契約におけるPOG契約(パーツ・オイル&グリース契約)は、契約範囲外の部品の取替えや機器の修理は別料金となるので、経年劣化により費用が増加することはない

 

×不適切です

エレベーターの保守契約の形態には、フルメンテナンス契約とPOG契約の2種類があります。

POG契約は、定期点検や契約範囲内の消耗品の交換が含まれますが、部品の取り替えや修理は別料金での対応となります。

つまり、エレベーターの保守契約におけるPOG契約(パーツ・オイル&グリース契約)は、契約範囲外の部品の取替えや機器の修理は別料金となるので、経年劣化により費用が増加することがあります。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ②

エレベーターの保守契約におけるフルメンテナンス契約は、部品の取替えや機器の修理を状況に合わせて行う内容で、月々の契約は割高となる。

 

〇適切です。

フルメンテナンス契約は、定期的な保守や点検に加え、部品の取替えや機器の修理も契約範囲に含まれる内容で、大規模な修繕も含まれているため、月々の契約は割高になりやすいという傾向があります。

一方で、部品代や調整費用などが保守料金に含まれているので、予算管理がしやすいという側面もあります。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ③

建物の所有者又は管理者は、特定行政庁が定める時期に、昇降機定期点検報告書を提出しなければならない。

 

〇適切です。

建物の所有者または管理者は、建築基準法に基づき、年に1回特定行政庁が定める時期に、エレベーターについて定期検査を実施し、その結果を昇降機定期点検報告書にまとめて、特定行政庁に提出しなければなりません。

なお、ホームエレベーターや、労働安全衛生法に基づく性能検査を受けているものは定期報告の対象外です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ④

機械式駐車場設備は、その構造や規模により、不活性ガス消火設備、泡消火設備、ハロゲン化物消火設備等の設置が義務付けられている。

 

〇適切です。

機械式駐車設備を有する駐車場には、構造や規模に応じて、不活性ガス消火設備、泡消火設備、ハロゲン化物消火設備などの設置が義務づけられています。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 

なお、不活性ガス消火設備は、消火剤による汚損が少ない一方で、操作を誤ると命にかかわるため、取り扱いには特に注意が必要です。

 


 

以上から、正解は選択肢①となります。

 

 

 

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