今日は、平成29年度 第16問について解説します。

平成29年度賃貸不動産経営管理士試験 第16

住宅の賃貸借契約の当事者に相続が発生した場合の権利関係に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。

 

ア  借主に相続が開始し、相続人が存在しない場合、内縁の配偶者が同居していたときは、内縁の配偶者は借主の地位を承継する。

イ  借主に相続が開始し、共同相続人が賃借権を共同相続した場合、貸主は各共同相続人に対して、相続分に応じて分割された賃料を請求できるにすぎない。

ウ  貸主に相続が開始し、共同相続人が物件を共同相続した場合、相続人が解除権を行使するためには、過半数の共有持分を有していなければならない。

1 ア、イ

2 イ、ウ

3 ア、ウ

4 ア、イ、ウ

 

 

 

解説

賃貸借契約における相続に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ア

借主に相続が開始し、相続人が存在しない場合、内縁の配偶者が同居していたときは、内縁の配偶者は借主の地位を承継する。

 

〇適切です。

借主が死亡したときは、賃借権は相続人に承継されます。

借主に相続人がいない場合には、借主と同居していた内縁の配偶者が賃借権を承継することができます。

選択肢の説明のとおりですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 イ

借主に相続が開始し、共同相続人が賃借権を共同相続した場合、貸主は各共同相続人に対して、相続分に応じて分割された賃料を請求できるにすぎない

 

×不適切です

借主に相続人が複数いて、賃借権を共同相続した場合、貸主は賃料の全額を相続人のいずれに対しても請求することができます。

つまり、借主に相続が開始し、共同相続人が賃借権を共同相続した場合、貸主は相続人のいずれに対しても賃料の全額を請求することができます。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ウ

貸主に相続が開始し、共同相続人が物件を共同相続した場合、相続人が解除権を行使するためには、過半数の共有持分を有していなければならない。

 

〇適切です。

貸主が複数いる場合には、持分の過半数の同意があれば、契約の解除を行うことができます。

選択肢の説明の通り、貸主に相続が開始し、共同相続人が物件を共同相続した場合、相続人が解除権を行使するためには、過半数の共有持分を有していなければなりませんので、この選択肢は適切です。

 


 

以上から、適切な選択肢の組合せはア、ウですので、正解は選択肢③となります。

 

 

 

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