今日は、令和7年度 第4問について解説します。
定期建物賃貸借契約における次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 定期建物賃貸借契約の更新がない旨の事前説明を書面に基づいて行えば、その書面の交付がなくとも、契約は有効に成立する。
イ 契約期間が1年未満の定期建物賃貸借契約も有効である。
ウ 電磁的記録により定期建物賃貸借契約を締結することは可能である。
エ 150㎡の居住用建物の定期建物賃貸借契約において、賃借人が海外転勤を理由に解約を申し入れた場合、同契約は解約申入日から1か月を経過することで当然に終了する。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
解説
定期建物賃貸借契約に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ア
定期建物賃貸借契約の更新がない旨の事前説明を書面に基づいて行えば、その書面の交付がなくとも、契約は有効に成立する。
×不適切です
定期建物賃貸借を有効に成立させるためには、契約締結前に、契約の更新がなく期間の満了により終了することについて、あらかじめ借主に説明することが必要です。
この事前説明は、契約書とは別の書面を交付して行う必要があり、書面の交付や説明がなされていなかった場合には、定期建物賃貸借としての効力は認められず、普通建物賃貸借契約として扱われます。
つまり、定期建物賃貸借契約の更新がない旨の事前説明を書面に基づいて行ったとしても、その書面の交付がない場合は、契約は有効に成立せず、普通建物賃貸借契約として扱われます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 イ
契約期間が1年未満の定期建物賃貸借契約も有効である。
〇適切です。
定期建物賃貸借の場合、契約期間の下限が設けられていないため、1年未満の契約期間も有効とされています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ウ
電磁的記録により定期建物賃貸借契約を締結することは可能である。
〇適切です。
期建物賃貸借は書面によって契約を締結しなければその効力を生じず、書面によらない場合には普通建物賃貸借契約として扱われます。
なお、書面は必ずしも公正証書である必要はなく、電磁的記録による締結も認められています。
選択肢の説明の通り、電磁的記録により定期建物賃貸借契約を締結することも認められていますので、この選択肢は適切です。
選択肢 エ
150㎡の居住用建物の定期建物賃貸借契約において、賃借人が海外転勤を理由に解約を申し入れた場合、同契約は解約申入日から1か月を経過することで当然に終了する。
〇適切です。
定期建物賃貸借では、床面積200㎡未満の居住用建物について、借主に転勤、療養、親族の介護などのやむを得ない事情がある場合には、中途解約特約がなくても、借主は中途解約の申入れをすることができ、申入れから1か月が経過すると契約は終了します。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
なお、選択肢冒頭の「150㎡」という数字に違和感を覚えた方もいるかもしれませんが、規定は「200㎡未満」ですので、150㎡も当然に含まれます。ここは数字に惑わされないよう注意したいポイントですね。
以上から、正しい選択肢はイ、ウ、エの3つですので、正解は選択肢③となります。
