今日は、令和7年度 第22問について解説します。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律及び「国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(国土交通省令和5年11月)に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
ア 社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮は、努力義務とされている。
イ 不動産管理業者が、歩行障害を有する者に個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている。
ウ 不動産管理業者が、障害者に対して障害の状況を確認することは、障害者の社会的障壁を除去するために必要な範囲で、プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされている。
エ 電話利用が困難な障害者から各種手続においてメールによる対応を求められた場合であっても、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反しないとされている。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
解説
障害者差別解消法に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ア
社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮は、努力義務とされている。
×不適切です
障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)では、事業者がその事業を行うにあたり、
障害がある人への不当な差別的取扱いを禁止し、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定められています。
つまり、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮は、事業者の義務であるとされています。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 イ
不動産管理業者が、歩行障害を有する者に個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている。
〇適切です。
選択肢の説明の通り、人的体制の制約等の理由を説明した上で対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされていますので、この選択肢は適切です。
選択肢 ウ
不動産管理業者が、障害者に対して障害の状況を確認することは、障害者の社会的障壁を除去するために必要な範囲で、プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされている。
〇適切です。
障害を理由としない対応や、正当な理由がある場合には、不当な差別的取扱いにあたらないとされています。
たとえば、障害の状況に応じた適切な物件紹介や案内方法を検討するために、
プライバシーに十分配慮しながら障害の状況を確認する場合などは、合理的配慮を提供するために必要な対応とされ、
不当な差別的取扱いには該当しないと考えられます。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 エ
電話利用が困難な障害者から各種手続においてメールによる対応を求められた場合であっても、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反しないとされている。
×不適切です
具体的な対応方法を検討せず、自社マニュアルを理由に対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反するものと考えられます。
つまり、電話利用が困難な障害者から各種手続においてメールによる対応を求められた場合であっても、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反するものと考えれます。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、適切な選択肢の組合せはイ、ウですので、正解は選択肢③となります。
