今日は、令和7年度 第30問について解説します。
個人であるAが賃貸不動産を賃借するに当たって、Aが勤務する会社BがAの委託を受けて連帯保証人となった場合の連帯保証契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 賃貸借契約の保証は根保証に当たるため、賃貸人とBとの間の連帯保証契約は、賃貸借契約におけるAが負うべき滞納賃料等の債務につき、極度額を定めなければ無効とされる。
② 賃貸人は、Bから請求があったときは、Aの賃貸借契約上の債務の履行状況につき、情報提供しなければならない。
③ 賃貸借契約が事業のためになされる場合、Aは、自己の財産及び収支の状況などにつき、保証の委託に際しBに情報提供しなければならない。
④ Aが所在不明で連絡がとれない場合、Bは、別に解除権の授権がなくとも、連帯保証人として、賃貸借契約の解除をすることができる。
解説
連帯保証契約に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
賃貸借契約の保証は根保証に当たるため、賃貸人とBとの間の連帯保証契約は、賃貸借契約におけるAが負うべき滞納賃料等の債務につき、極度額を定めなければ無効とされる。
×不適切です
賃貸借契約の保証のように、時の経過とともに変動する不特定の債務を一定の範囲内で保証する契約を根保証契約といいます。
そのうち、保証人が個人である場合を個人根保証契約といい、保証の上限となる極度額を定めなければ無効となります。
一方、本肢では保証人Bは法人(会社)であり、法人保証人には極度額の定めは不要です。
つまり、賃貸借契約の保証は根保証に当たり、賃貸人とB(法人)との間の連帯保証契約は、賃貸借契約におけるAが負うべき滞納賃料等の債務につき、極度額を定めなくても有効とされます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
賃貸人は、Bから請求があったときは、Aの賃貸借契約上の債務の履行状況につき、情報提供しなければならない。
〇適切です。
保証人から請求があった場合、債権者は、主たる債務の不履行の有無や残額、利息・違約金・損害賠償等について、遅滞なく情報を提供する義務があります。
この情報提供義務は、保証人が個人か法人かを問いません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
賃貸借契約が事業のためになされる場合、Aは、自己の財産及び収支の状況などにつき、保証の委託に際しBに情報提供しなければならない。
×不適切です
事業のために負担する債務を主たる債務とする保証や根保証の委託をする場合、
保証人が個人であるときに限り、委託を受ける者に対して、財産・収支の状況、他の債務の有無や履行状況、担保の提供状況などの情報を提供しなければなりません。
この情報提供義務は個人保証人に限られ、保証人が法人である場合には課されません。
つまり、賃貸借契約が事業のためになされる場合、Aは、自己の財産及び収支の状況などにつき、保証の委託に際しBに情報提供する必要はありません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
Aが所在不明で連絡がとれない場合、Bは、別に解除権の授権がなくとも、連帯保証人として、賃貸借契約の解除をすることができる。
×不適切です
連帯保証人は債務履行の責任は負いますが、契約当事者ではないため、契約の解除権はありません。
つまり、Aが所在不明で連絡がとれない場合でも、Bは、賃貸借契約の解除をすることはできません(連帯保証人にそのような権限はありません)。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢②となります。
