今日は、令和7年度 第46問について解説します。
賃貸住宅の入居者の募集に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 物件が既に契約済みで、取引できなくなっているにもかかわらず、そのままインターネットに広告表示を続けることは、不動産の表示に関する公正競争規約(平成17年公正取引委員会告示第23号)によれば、おとり広告となる。
イ おとり広告は、不動産の表示に関する公正競争規約に違反するが、宅地建物取引業法に違反するものではない。
ウ 空室が出た1か月後に、宅地建物取引業者である賃貸住宅管理業者が賃貸借契約の媒介を行った場合、賃貸人と賃借人の双方の承諾がある場合に限り、賃貸人と賃借人それぞれから賃料の1か月分の1.10倍に相当する額を報酬として受領することができる。
エ 令和6年4月以降に建築確認申請が行われた建築物について、賃貸事業を営む賃貸住宅の所有者には、広告物に省エネ性能を示すラベルを表示する努力義務が課せられる。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
解説
入居者の募集に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ア
物件が既に契約済みで、取引できなくなっているにもかかわらず、そのままインターネットに広告表示を続けることは、不動産の表示に関する公正競争規約(平成17年公正取引委員会告示第23号)によれば、おとり広告となる。
〇適切です。
入居者を募集するための広告として、インターネットが重要な広告媒体となっていますが、その更新を怠り、すでに成約済みの物件をインターネット広告から削除せず掲載を継続することはおとり広告に該当します。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 イ
おとり広告は、不動産の表示に関する公正競争規約に違反するが、宅地建物取引業法に違反するものではない。
×不適切です
おとり広告や虚偽広告は、宅建業法において禁止されているだけではなく、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)や不動産公正競争規約でも禁止されています。
つまり、おとり広告は、不動産の表示に関する公正競争規約および景品表示法、ならびに宅地建物取引業法に違反するものです。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ウ
空室が出た1か月後に、宅地建物取引業者である賃貸住宅管理業者が賃貸借契約の媒介を行った場合、賃貸人と賃借人の双方の承諾がある場合に限り、賃貸人と賃借人それぞれから賃料の1か月分の1.10倍に相当する額を報酬として受領することができる。
×不適切です
居住用建物の賃貸借の場合に受け取ることのできる報酬額は、原則として貸主と借主の双方から、それぞれ賃料の0.55 倍(0.5か月分+消費税)です。
ただし、貸主または借主いずれかの承諾があれば、承諾した一方から賃料の1.10倍(1か月分+消費税)を上限として一方からまとめて受け取ることも可能です。
一方から上限の1.10か月分を受け取った場合は、もう一方からさらに報酬を受けとることはできません
つまり、空室が出た1か月後に、宅地建物取引業者である賃貸住宅管理業者が賃貸借契約の媒介を行った場合、賃貸人と賃借人の双方の承諾がある場合であっても、賃貸人と賃借人それぞれから賃料の1か月分の1.10倍に相当する額を報酬として受領することはできません(承諾した一方から、賃料の1.10倍までの報酬を受領することはできます)。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 エ
令和6年4月以降に建築確認申請が行われた建築物について、賃貸事業を営む賃貸住宅の所有者には、広告物に省エネ性能を示すラベルを表示する努力義務が課せられる。
〇適切です。
建築物のエネルギー消費性能の向上を図るため、建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)が改正され、これに伴い、2024年4月から、建築物の販売・賃貸時における省エネ性能表示制度が開始されました。
これにより、建築物の販売または賃貸を行う事業者には、対象となる建築物についてエネルギー消費性能を表示するよう努めなければならないという努力義務が課されました。表示義務の対象となる建築物は、2024年4月以降に建築確認申請を行ったものです。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、誤っている選択肢はイ、ウですので、正解は選択肢③となります。
