今日は、令和3年度 第1問について解説します。
※本記事は、過去に公開した解説を最新の法令・制度・出題傾向に合わせて加筆修正した再掲記事です。
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において「管理業法」という。)に定める賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う重要事項の説明(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明」という。) に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
① 管理受託契約重要事項説明は、管理受託契約の締結とできるだけ近接した時期に行うことが望ましい。
② 管理受託契約重要事項説明は、業務管理者が行わなければならない。
③ 賃貸住宅管理業者は、賃貸人が管理受託契約重要事項説明の対象となる場合は、その者が管理受託契約について一定の知識や経験があったとしても、書面にて十分な説明をしなければならない。
④ 管理受託契約に定める報酬額を契約期間中に変更する場合は、事前説明をせずに変更契約を締結することができる。
解説
管理受託契約重要事項説明に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢①
管理受託契約重要事項説明は、管理受託契約の締結とできるだけ近接した時期に行うことが望ましい。
×不適切です。
貸主が契約内容を十分に理解したうえで契約を締結できるよう、重要事項説明から契約締結までには1週間程度の期間を設けることが推奨されています。
なお、契約締結までの期間を短縮せざるを得ない場合には、事前に重要事項説明書等を送付し、その送付から一定期間後に説明を実施するなど、貸主が契約締結の判断を行うまでに十分な時間をとることが望ましいとされています。
つまり、管理受託契約重要事項説明は、管理受託契約の締結までは1週間程度の期間を置いて行うことが望ましいとされています。よってこの選択肢は不適切です。

選択肢②
管理受託契約重要事項説明は、業務管理者が行わなければならない。
×不適切です。
業務管理者や一定の実務経験を有する者など、専門的な知識と経験を持つ者によって行われることが望ましいとされています。
ただし、業務管理者の管理・監督のもとに行えば、必ずしも業務管理者が行わなければならないわけではありません。
つまり、管理受託契約重要事項説明は、必ずしも管理者が行わなければならないわけではありません。よってこの選択肢は不適切です。

選択肢③
賃貸住宅管理業者は、賃貸人が管理受託契約重要事項説明の対象となる場合は、その者が管理受託契約について一定の知識や経験があったとしても、書面にて十分な説明をしなければならない。
〇適切です。
重要事項説明は、賃貸住宅管理業者が貸主に対して行う義務がありますが、例え一定の知識や経験のある貸主が対象であっても、重要事項説明義務を免れるものではなく、十分に説明し、書面を交付する必要があります。
よってこの選択肢は適切です。
ちなみに、管理業務に関する専門知識および経験を有するとして、重要事項説明を行わなくてもよいものとされているのは、貸主が以下に該当する場合です。
①賃貸住宅管理業者②特定転貸事業者③宅地建物取引業者④特定目的会社⑤組合⑥賃貸住宅に係る信託の受託者(委託者が①~④のいずれかに該当する場合のみ)⑦独立行政法人都市再生機構⑧地方住宅供給公社
選択肢④
管理受託契約に定める報酬額を契約期間中に変更する場合は、事前説明をせずに変更契約を締結することができる。
×不適切です。
管理受託契約の報酬額は、重要事項説明および契約締結時書面に記載される事項です。
契約期間中または契約更新時に、重要事項として説明すべき事項に変更があった場合、変更があった部分について重要事項説明と書面の交付、契約締結時書面の交付が必要となります。
なお更新契約のように、期間のみの変更である場合や、組織運営に変更のない商号・名称の変更の場合は重要事項説明や書面の交付は必要ありません。
つまり、管理受託契約に定める報酬額を契約期間中に変更する場合は、事前説明をせずに変更契約を締結することはできません。
以上から、正解は選択肢③となります。