今日は、令和3年度 第46問について解説します。
※本記事は、過去に公開した解説を最新の法令・制度・出題傾向に合わせて加筆修正した再掲記事です。
賃貸住宅に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 住生活基本法に基づき令和8年3月27日に閣議決定された住生活基本計画では、「若年世帯や子育て世帯が希望する住まいを確保できる社会の実現」が目標の一つとして掲げられている。
② 家賃債務保証業者登録規程(平成29年10月2日国土交通省告示第898号)によれば、国土交通大臣は、家賃債務保証業者登録簿を一般の閲覧に供する。
③ 不動産登記において建物の床面積は、区分所有建物の専有部分の場合を除き、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により計算する。
④ 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じたときの損害賠償責任を、賃貸不動産の管理を受託した賃貸住宅管理業者が負うことはない。
解説
賃貸住宅や不動産の基礎知識などに関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
住生活基本法に基づき令和8年3月27日に閣議決定された住生活基本計画では、「若年世帯や子育て世帯が希望する住まいを確保できる社会の実現」が目標の一つとして掲げられている。
〇適切です。
令和8年3月27日に、新たな住生活基本計画(全国計画)が閣議決定されました。
2050年を見据えた「住まうヒト」、「住まうモノ」、「住まいを支えるプレイヤー」の3つの視点から、以下の11の目標と、それに対応する基本的な施策が掲げられています。
「住まうヒト」の視点から「若年世帯や子育て世帯が希望する住まいを確保できる社会の実現」が目標の一つとして掲げられています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
家賃債務保証業者登録規程(平成29年10月2日国土交通省告示第898号)によれば、国土交通大臣は、家賃債務保証業者登録簿を一般の閲覧に供する。
〇適切です。
家賃債務保証業とは、賃貸住宅の賃借人の委託を受けて賃借人の家賃の支払に係る債務を保証することを業として行うことです。
家賃債務保証業を営む者は、国土交通大臣の登録を受けることができます。
登録を受けた場合、登録簿に登載され、登録簿は一般の閲覧に供されます。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
不動産登記において建物の床面積は、区分所有建物の専有部分の場合を除き、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により計算する。
〇適切です。
不動産登記において、床面積は各階ごとに計算されます。その際の面積の範囲は「壁その他の区画の中心線」で囲まれた部分の「水平投影面積」です。
区画の中心線で囲まれた部分というのは、壁の「真ん中」を基準にして、部屋や建物の面積を計算するということです。ちなみにこのような基準は「壁芯」といわれます。
水平投影というのは、カメラで建物を真上から撮影するようなイメージです。
なので、ざっくりいうと壁の真ん中を境目にして囲まれた部分を真上からカメラで撮ったときの面積が各階の床面積ということになります。
なお、区分所有建物の専有部分は壁の内側の面積を基準に計算します。壁の厚みは含まれません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じたときの損害賠償責任を、賃貸不動産の管理を受託した賃貸住宅管理業者が負うことはない。
×不適切です。
工作物責任を負うのは、一次的には占有者です。
賃貸住宅では借主がこれに該当しますが、建物の管理を行う管理業者が建物の安全確保について事実上の支配をしている場合、
管理業者が占有者として責任を負うことがあります。
つまり、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じたときの損害賠償責任を、賃貸不動産の管理を受託した賃貸住宅管理業者が負うことがあります。(建物の安全確保について事実上の支配をなしている場合には、賃貸住宅管理業者が占有者とみなされます。)
以上から、正解は選択肢④となります。
※令和8年3月27日に新たな住生活基本計画が閣議決定されたため、選択肢①を改題しております。
本試験での出題「選択肢①:住生活基本法に基づき令和3年3月19日に閣議決定された住生活基本計画では、基本的な施策として、子育て世帯等が安心して居住できる賃貸住宅市場の整備が掲げられている。」
本肢は過去問をそのまま再掲したものではなく、令和3年度試験当時の住生活基本計画を前提とした問題を、令和8年3月27日に閣議決定された新たな住生活基本計画に合わせて改題したものです。