今日は、R7 企業経営理論 第3問について解説します。
R7 企業経営理論 第3問
VRIOフレームワークに基づけば、自社の経営資源の模倣困難性は企業の持続的な競争優位性を左右する。競合企業が経営資源を模倣する際のコスト上の不利をもたらし、自社の経営資源の模倣困難性を高める要因として、最も適切なものはどれか。
ア 競合企業には他に将来性が高く注力するべき経営資源があること。
イ 自社が歴史的な経緯で長い時間をかけて、独自の経営資源を獲得してきたこと。
ウ 自社の経営資源がどのように競争優位性につながっているのかが既に明確になっており、業界に知れ渡っていること。
エ 自社の経営資源の価値が特定の市場だけに限定されており、他市場では活用できないこと。
オ 自社の経営資源を代替できる別の経営資源が外部の企業から調達可能であること。
選択肢ア:競合企業には他に将来性が高く注力すべき経営資源があること。
→ ❌ 誤りです。
→ ❌ 誤りです。
- これは競合企業が模倣しない理由にはなり得ますが、資源自体の「模倣困難性」を高める要因ではありません。VRIOの模倣困難性は、独自の歴史的条件・因果関係の不明性・社会的複雑性などが該当しますが、この選択肢は単に優先順位の問題です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:自社が歴史的な経緯で長い時間をかけて、独自の経営資源を獲得してきたこと。
→ ✅ 正しいです。
→ ✅ 正しいです。
- これはVRIOにおける「独自の歴史的条件(経路依存性)」にあたり、他社が短期間で再現できないため、模倣困難性を高める典型的な要因です。ブランド、企業文化、熟練ノウハウなどが該当します。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:自社の経営資源がどのように競争優位性につながっているのかが既に明確になっており、業界に知れ渡っていること。
→ ❌ 誤りです。
→ ❌ 誤りです。
- 因果関係が明確だと他社も模倣しやすくなります。VRIOでは「因果関係の不明性」が模倣困難性を高める要因であり、逆に明確だと模倣困難性は下がります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:自社の経営資源の価値が特定の市場だけに限定されており、他市場では活用できないこと。
→ ❌ 誤りです。
→ ❌ 誤りです。
- これは資源の「価値(Value)」や汎用性に関する話で、模倣困難性とは直接関係しません。市場限定的であっても、その市場内では模倣が容易なら困難性は高まりません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:自社の経営資源を代替できる別の経営資源が外部の企業から調達可能であること。
→ ❌ 誤りです。
→ ❌ 誤りです。
- これは模倣困難性ではなく「代替可能性」の問題です。代替できる資源が容易に入手できるなら、競争優位は維持できません。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢イとなります。
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