【過去問解説(企業経営理論)】R7 第22問 ネットワーク理論 #中小企業診断士試験

今日は、企業経営理論 R7 第22問について解説します。

企業経営理論 R7 第22問

組織のネットワーク理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア D. ワッツと S. ストロガッツによると、スモールワールド・ネットワークでは、ランダムなつながりを増やすと、ネットワーク全体の平均経路長(average pathlength)は長くなり、情報の流通は困難になる。
イ M. グラノヴェッターによると、交流の機会が少なく信頼関係が薄い「弱い紐帯」は、やりとりされる情報の範囲を限定し、イノベーションに必要な新しい知識やアイデアを伝わりにくくする。
ウ M. グラノヴェッターによると、頻繁に顔を合わせ、強い信頼関係のもとで協力し合う「強い紐帯」は、メンバー同士の結束を深めることで、組織の柔軟性を高め、環境の変化に迅速に適応できるようにする。
エ R. バートによると、同じ業界に属し競争関係にある組織同士が構造同値の関係にある場合、目的や価値観を共有しやすいため、連携して協調関係を構築しやすい。
オ R. バートによると、ソーシャル・ネットワークの中で構造的空隙の間に位置する組織は、仲介者の役割を担うことで、ネットワーク上の多様な情報を入手し、情報の優位性を得ることができる。

解説

ネットワーク理論に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢を見ていきましょう

選択肢ア:スモールワールドネットワークでは、ランダムなつながりを増やすと平均経路長が長くなり、情報の流通が困難になる。
→ ❌ 誤りです。
スモールワールドネットワークの特徴は、ごく一部のランダムなつながりが平均経路長を短くし、情報の伝達効率を高めることです。選択肢は逆の説明をしています。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:弱い紐帯は新しい知識やアイデアを伝わりにくくする。
→ ❌ 誤りです。~
弱い紐帯は異質な人々とのゆるやかなつながりであり、新しい情報やイノベーションをもたらす重要な情報経路とされます。選択肢は逆の説明をしています。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:強い紐帯は結束を深め、柔軟性を高め、環境変化への迅速な適応につながる。
→ ❌ 誤りです。
強い紐帯は結束を高める一方、ネットワークが閉じるため新しい情報が入りにくく、柔軟性は低下しがちになるため、迅速な環境変化への適応力は下がります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:構造同値の関係にある組織は目的や価値観を共有しやすく、協調関係を構築しやすい。
→ ❌ 誤りです。
構造同値とは「似たポジションにあるため競争しやすい関係」であり、協調ではなく競争が発生しやすいとされます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:構造的空隙の間に位置する組織は仲介者として多様な情報を入手し、情報優位を得られる。
→ ✅ 正しいです。
構造的空隙とは、「本来つながっていない複数の集団のあいだにあるすき間」のことです。
そのすき間をつなぐ位置にいる組織は、どちらの集団からも情報を受け取れる橋渡し役になるため、他者よりも多様で新しい情報を得やすくなります。
よって、この選択肢は〇です。
✅ 以上から、正解は選択肢オとなります。

 

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