【過去問解説(経営法務)】R7 第2問 取締役会 #中小企業診断士試験

今日は、経営法務 R7 第2問について解説します。

経営法務 R7 第2問

取締役会に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、特別取締役の定めはないものとする。

ア 代表取締役および業務執行取締役は、 3 カ月に 1 回以上、職務執行の状況を取締役会に報告しなければならないが、定款の定めがあれば、取締役全員への書面による通知により、その報告を省略することができる。
イ 取締役会の決議の定足数は、当該決議について特別の利害関係があり議決に加わることができない取締役の人数を除いて計算することができる。
ウ 取締役会を招集する者は、取締役会の日の 1 週間前までに、その通知を発しなければならず、この通知期間は、定款の定めによっても短縮することはできない。
エ 取締役が現実に開催される予定の取締役会に出席できない場合、その取締役は、事前に他の取締役に対して委任状を発行することにより、当該取締役会において議決権を行使することができる。

解説

取締役会に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢を見ていきましょう。

選択肢ア:代表取締役および業務執行取締役は、3カ月に1回以上、職務執行の状況を取締役会に報告しなければならないが、定款の定めがあれば、取締役全員への書面による通知により、その報告を省略することができる。
→ ❌ 誤りです。
前半の「代表取締役および業務執行取締役は、3カ月に1回以上、職務執行の状況を取締役会に報告しなければならない」という部分は正しいです。
一方、後半の「定款の定めがあれば、取締役全員への書面による通知により、その報告を省略することができる」という部分については、誤りで、取締役会設置会社の代表取締役・業務執行取締役は、取締役会に対して必ず報告を行う必要があり、報告の省略制度はありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:取締役会の決議の定足数は、当該決議について特別の利害関係があり議決に加わることができない取締役の人数を除いて計算することができる。
→ ✅ 正しいです。
会社法では、利益相反取引など「特別利害関係」を有する取締役は議決に参加できず、定足数計算からも除外されると定められています。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前までに、その通知を発しなければならず、この通知期間は、定款の定めによっても短縮することはできない。
→ ❌ 誤りです。
会社法では、取締役会招集通知の期間に法定期間の定めはありません。
また、定款で期間を自由に定めることも可能となっています。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:取締役が現実に開催される予定の取締役会に出席できない場合、その取締役は、事前に他の取締役に対して委任状を発行することにより、当該取締役会において議決権を行使することができる。
→ ❌ 誤りです。
取締役会の議決権は代理行使できません。
取締役会は経営の意思決定機関であり、本人出席が原則であるためです。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢イとなります。

ちなみに、本問は少し難しいので、明らかに×と分かるウが削れればまずはOKとしてもよいでしょう。

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