【過去問解説(経済学・経済政策)】R6 第5問 45度線分析

今日は、経済学・経済政策のR6第5問について解説します。

 経済学・経済政策 R6 第5問

 下図は、ケインズ型消費関数を直線ABによって描いている。この図に関する記述の正誤の生み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 可処分所得が大きいほど限界消費性向が小さくなるので、高所得者ほど所得に占める消費額の割合が小さくなる。

b 可処分所得が増加するとき、限界消費性向は一定であるが、平均消費性向は小さくなる。

c この消費関数の傾きは、1よりも大きい。

〔解答群〕

ア a:正 b:正 c:誤

イ a:正 b:誤 c:誤

ウ a:誤 b:正 c:正

エ a:誤 b:正 c:誤

オ a:誤 b:誤 c:正

解説

45度線分析に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

好景気のときは消費や投資が増加し、財の需要が増加するためGDPは増加しますが、不景気のときは消費や投資が減少し、財の需要も減少しGDPは減少します。このように、財の需要の大小によっ
てGDPの大小も決まるという原理を有効需要の原理といいます。45度線分析は、財の需要と供給の関係から、有効需要の原理を説明するために考案されたものです。
まず、財の総供給、つまり生産面から見たGDPについて考えます。GDPは生産額に等しいため、財の総供給YSは以下のように表せ、傾きが45度となるので45度線と呼びます。

YS=Y

消費水準はケインズ型消費関数に依存するものとして計算します。ケインズ型消費関数は、絶対所得仮説とも呼ばれ、消費Cは、所得とは関係なく生きていくために最低限必要な消費水準である独立消費C0と、所得の増加に比例して増加する消費cYからなるとして、消費Cと所得Yの関係を以下のような関数として表したものです。

C=cY+C0

この式で、傾きcは限界消費性向といい、所得が増加したときにどれだけ消費が増えるかを表した係数で、0から1の間の値をとります。

それでは選択肢をみていきましょう。

a:誤りです。限界消費性向は傾きになりますが、直線だと傾きは一定ということから、限界消費性向は一定になります。

b:その通りです。限界消費性向は傾きになりますが、直線だと傾きは一定ということから、限界消費性向は一定になります。平均消費性向は原点からの傾きですが、可処分所得が大きくなるほど傾きが緩くなるので、平均消費性向は小さくなります。

c:誤りです。傾きが1の場合、45度の直線になります。直線ABの傾きはそれよりも緩いため、1よりも小さいことになります。

以上から、a:誤 b:正 c:誤なので、

正解は選択肢エとなります。

 

 

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