【過去問解説(財務・会計)】R7 第15問 リスクプレミアム #中小企業診断士

今日は、財務・会計 R7 第15問について解説します。

財務・会計 R7 第15問

資本コストのリスクプレミアムに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 不確実な投資プロジェクトの評価に確実性等価法を適用する場合、キャッシュフローの不確実性を、割引率として用いる資本コストのリスクプレミアムで調整する。
イ 負債が増大するにつれて、債務不履行リスクが大きくなる場合、負債の資本コストのリスクプレミアムには、債務不履行リスクが反映される。
ウ 負債による資金調達を行っている企業の株主資本コストは、リスクフリー・レートと財務リスクプレミアムで構成されている。
エ ポートフォリオ理論によれば、株主資本コストのリスクプレミアムには、市場リスクが反映されていない。

解説

CAPMのうち、リスクプレミアムに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:不確実な投資プロジェクトの評価に確実性等価法を適用する場合、キャッシュフローの不確実性を、割引率として用いる資本コストのリスクプレミアムで調整する。
→ ❌ 誤りです。
キャッシュフローの不確実性を「割引率」に反映させるのは リスク調整割引率法の考え方です。
一方、確実性等価法はその逆で、割引率にはリスクフリーレートを用い、リスク調整はキャッシュフロー側で行います。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:負債が増大するにつれて、債務不履行リスクが大きくなる場合、負債の資本コストのリスクプレミアムには、債務不履行リスクが反映される。
→ ✅ 正しいです。
負債が増え、デフォルト(債務不履行)リスクが高まると、債権者はより高い利回り(要求収益率)を求めるようになります。
その結果、負債コストにはリスクフリーレートに上乗せされるリスクプレミアムとして、債務不履行リスクが反映されます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:負債による資金調達を行っている企業の株主資本コストは、リスクフリー・レートと財務リスクプレミアムで構成されている。
→ ❌ 誤りです。
株主資本コストには

・事業そのものに伴う「事業リスクプレミアム」
・負債によるレバレッジから生じる「財務リスクプレミアム」
の両方が含まれます。

よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:ポートフォリオ理論によれば、株主資本コストのリスクプレミアムには、市場リスクが反映されていない。
→ ❌ 誤りです。
CAPM(資本資産評価モデル)では、株主資本コストは
リスクフリーレート + β ×(市場ポートフォリオの期待収益率 − リスクフリーレート)
と表され、この「β×市場リスクプレミアム」の部分が、市場リスクに対するリスクプレミアムです。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢イとなります。

 

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