【過去問解説(運営管理)】H30 第31問 在庫管理

今日は、運営管理のH30 第31問について解説します。

 運営管理 H30 第31問

小売店舗における在庫管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 安全在庫を算出するときに用いる安全係数は、あらかじめ決められた一定の値であり、意図的に決める値ではない。
イ 欠品を少なくする方法は、フェイス数の増加や安全在庫の引き下げである。
ウ サイクル在庫は、発注 1 回当たりの発注量を多くし発注頻度を引き下げると増加する。
エ 定量発注方式を採用しているときに過剰在庫を抑制する方法は、納品リードタイムをできるだけ長くすることである。
オ 適正な在庫量を表す理論在庫は、平均在庫と安全在庫の合計で算出する。

解説

在庫管理に関する問題です。
在庫管理の問題は、前半の生産管理、後半の店舗・販売管理どちらの分野からも出題される可能性がある頻出論点です。
自分で手を動かして簡単なグラフを書いてみたり、実際に数字を当てはめながら解いてみるよいでしょう。

それでは選択肢をみていきます。

選択肢ア:誤りです。安全係数は、商品の需要によって任意に設定するものです。例えば、品切れを回避したい商品については、安全在庫を多めに取りたいので係数を大きく設定します。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。欠品を少なくするためには、安全在庫を「引き上げる」必要があります。安全在庫とは、需要変動や補充期間の不確実性を吸収するために必要な在庫のことをいいます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。サイクル在庫とは、在庫が納入されてから、次の納入までの需要に対する在庫のことで、発注量×1/2で表されます。ですので、発注量を増やして発注間隔を伸ばすとサイクル在庫は増加します。
よって、この選択肢は〇です。
ちなみに、サイクル在庫について知らなかった方は一旦飛ばして次に進みましょう。

選択肢エ:誤りです。まとめシートで解説している下図を見るとイメージしやすいですが、定量発注方式では発注点の引き下げが過剰在庫の抑制につながります。そのため、リードタイム(調達期間)は「短く」することで発注点の引き下げに寄与します。


よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:誤りです。平均在庫には安全在庫も含まれています。よって、平均在庫+安全在庫とすると、安全在庫が二度カウントされていることになります。よって、適正な在庫量ということはできません。ちなみに、理論在庫とは一般的に帳簿上の在庫のことを指しますが、ここでは単語の意味を知らなくても解答することはできます。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

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