【過去問解説(財務・会計)】R1 第14問 オプション取引

今日は、財務・会計 R1 第14問について解説します。

 財務・会計 R1 第14問

オプションに関する記述として、最も不適切なものはどれか

ア オプションの価格は、オプションを行使した際の価値、すなわち本質的価値と時間的価値から成り立っている。
イ オプションの時間的価値はアット・ザ・マネーのとき、最大となる。
ウ コールオプションにおいて、原資産価格が行使価格を上回っている状態を、イン・ザ・マネーと呼ぶ。
エ 本質的価値がゼロであっても、時間的価値が正であれば、オプションを行使する価値がある。

解説

オプション取引に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

🔍 前提知識:オプション取引の基本
オプション取引とは?
将来のある日(満期日)に、ある価格(行使価格)で資産を売買する「権利」を売買する取引。
→モノではなく「権利」を取引する。

診断士試験では基本的に買い手側の立場(権利を持つ側)で問われることが多いです。

オプションの分類
コールオプション 権利行使価格で「買う」権利 輸入業者が円安リスクをヘッジ
プットオプション 権利行使価格で「売る」権利 輸出業者が円高リスクをヘッジ

🔍 オプションの価値構造
オプション価格は以下の2つから構成されます:

〇本質的価値(Intrinsic Value)
→ 権利を今すぐ行使したら得られる価値
例:コールオプションで市場価格が行使価格を上回るとき=イン・ザ・マネー

〇時間的価値(Time Value)
→ 満期までの期間に市場価格が有利な方向に動く「可能性」に対して支払うプレミアム
※アット・ザ・マネーのときが最大(将来のどちらにも動く可能性が高いため)

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:
→ 正しい

基本構造の説明として正しい。
オプション価格 = 本質的価値 + 時間的価値

選択肢イ:
→ 正しい

アット・ザ・マネーは、「今の価格が行使価格と等しい」状態。
今後の価格変動により「行使価値が出る可能性」が最も高いため、時間的価値は最大になる。

選択肢ウ:
→ 正しい

権利行使価格<市場価格(=原資産価格)なら行使すれば得がある状態。
よってイン・ザ・マネー(行使価値あり)と呼ぶ。

選択肢エ:
→ 誤り
時間的価値は「将来の期待値」であり、オプションを行使するかどうかの判断には関係ありません。

本質的価値がゼロ(=アウト・オブ・ザ・マネーやアット・ザ・マネー)なら、行使しても得はない。
この場合、買い手は「行使しない」という選択を取り、損失はプレミアムに限定される。

よって、「時間的価値があるから行使する価値がある」という説明は不適切です。

 

✅ まとめ
選択肢ア(正):オプションの価格は「本質的価値+時間的価値」から構成される。

選択肢イ(正):アット・ザ・マネーのとき、時間的価値が最大。

選択肢ウ(正):市場価格>行使価格なら、イン・ザ・マネー。

選択肢エ(誤):本質的価値がゼロの場合は、行使せずに放棄するのが合理的。よって不適切。

以上から、今回は不適切なものを選ぶ問題ですので
正解は選択肢エです。

 

 

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