【過去問解説(企業経営理論)】H25 第8問 製品アーキテクチャ

今日は企業経営理論H25第8問から製品アーキテクチャに関する問題について解説します。

 

H25 第8問

製品の設計が、部品間のインターフェースが単純なモジュラー的な場合と、複雑で調整が必要な擦り合わせ的な場合とで、製品開発や技術開発の進め方が異なる。モジュラー的な製品開発や技術開発に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア モジュール部品を多様に組み合わせて得られる製品は、低価格・高機能を容易に実現でき、差別化による高い収益性を発揮できる。
イ モジュラー化の進展によって、自社固有の技術開発余地が狭まり、標準部品を使った製品間の競争が激化し、価格競争が激しくなる。
ウ モジュラー的な製品開発では、多様な部品を幅広く組み合わせるので、技術開発と製品開発が緊密に連携することが不可欠になる。
エ モジュラー的な製品では、モジュール部品を広く外部から調達することが可能になるので、これまでの社内のモジュール部品の生産設備は埋没原価になる。
オ モジュラー的な製品は、技術を持たない企業の参入可能性を高めるが、先発企業はシステム統合技術で先行するので、市場シェアには大きな影響を与えない。

解説

それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、モジュール部品を組み合わせた製品は、低価格高機能を容易に実現できるという記述までは正しいですが、同じような部品を同じように組み合わせれば、同じような製品ができてしまうので、「差別化による高い収益性を発揮できる」という記述は×です。

選択肢イは、その通りで価格競争が激しくなる要因となります。

選択肢ウの技術開発と製品開発が緊密に連携することが不可欠なのはモジュラー的な製品開発ではなく、インテグラル型の製品開発ですので×です。

選択肢エは、モジュール部品を外部から調達できたとしても、社内でモジュール部品を生産できた場合、より低いコストで部品を調達できる等のメリットがありますので、埋没原価となることはありません。よってこの選択肢は×です。

選択肢オは、必ずしもシステム統合技術で先行できるわけではなく、市場シェアに影響があり得るため×です。

以上から、正解は選択肢イとなります。

 

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