今日は、企業経営理論 R5(再試)第26問について解説します。
流通チャネルに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア メーカーから直接消費者に販売を行う流通チャネルの形態を直接流通と呼ぶことがある。直接流通においては、通常は流通チャネルが担っている販売機能、在庫リスクなどをメーカーが自ら引き受けなければならないというデメリットも存在する一方で、消費者の反応などが直接メーカーに届くことや、流通機能を自社内でコントロールしやすい、などのメリットもある。
イ メーカーによるチャネル選択には、開放的・排他的・選択的の 3 つを考えることができる。開放的チャネルでは、メーカーは不特定多数の流通業者と取引を行う。排他的チャネルでは、メーカーは特定の流通業者との関係を強め、例えば地域ごとに専任の流通業者を設定したりする。選択的チャネルは開放的・排他的流通チャネルの中間的形態であり、さまざまな基準により、取引する流通業者を選定する。
ウ 流通チャネルの流れの 1 つは金銭の流れであり、商流と呼ばれる。小売店の店頭で消費者が製品を購入した際に支払った金銭は、小売店から卸へ、そして卸からメーカーへとそれぞれの支払いという形を通じて流れていく。金銭には古くから小切手などが用いられてきたが、近年は電子マネーなども使われるようになっている。
エ 流通チャネルの流れの 1 つは情報の流れであり、情報流と呼ばれる。この情報には、製品に関しての情報だけでなく、在庫情報、店頭における消費者の需要に関する情報などが含まれ、供給と需要とを結びつける役割を果たしている。
オ 流通チャネルの流れの 1 つは製品の実際の流れであり、物流と呼ばれる。例えば一般的な製品はメーカーの工場で生産され、物流機能によって卸などを経て小売りへ運送され、小売店の店頭に陳列され、消費者が購入する。
解説
流通チャネルに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:
メーカーから直接消費者に販売を行う流通チャネルの形態を直接流通と呼ぶことがある。直接流通においては、通常は流通チャネルが担っている販売機能、在庫リスクなどをメーカーが自ら引き受けなければならないというデメリットも存在する一方で、消費者の反応などが直接メーカーに届くことや、流通機能を自社内でコントロールしやすい、などのメリットもある。
〇適切です。
直接流通(直販)では、流通業者を介さずに販売するため、在庫リスクや販売活動を自社で担う必要がある一方、顧客との接点を直接持てるというメリットがあります。
選択肢イ:
メーカーによるチャネル選択には、開放的・排他的・選択的の 3 つを考えることができる。開放的チャネルでは、メーカーは不特定多数の流通業者と取引を行う。排他的チャネルでは、メーカーは特定の流通業者との関係を強め、例えば地域ごとに専任の流通業者を設定したりする。選択的チャネルは開放的・排他的流通チャネルの中間的形態であり、さまざまな基準により、取引する流通業者を選定する。
〇適切です。
開放的チャネルは、取引先の流通業者を限定せずに広い範囲に流通させます。
排他的チャネルは、流通業者の数を制限することで、チャネルの管理がしやすくなるため、ブランドイメージの向上やアフターサービスの充実がしやすいというメリットがあります。
選択的チャネルは、開放的チャネルと排他的チャネルの中間に位置付けられ生産者がチャネルの幅をある程度限定し、チャネルメンバーに優先して販売するという形を取るため、販売努力を集中でき、得意先管理も効率的に行えるというメリットがあります。
選択肢ウ:
流通チャネルの流れの 1 つは金銭の流れであり、商流と呼ばれる。小売店の店頭で消費者が製品を購入した際に支払った金銭は、小売店から卸へ、そして卸からメーカーへとそれぞれの支払いという形を通じて流れていく。金銭には古くから小切手などが用いられてきたが、近年は電子マネーなども使われるようになっている。
×不適切です。
商流とは「金銭の流れ」ではなく、「商品の取引に関する契約や所有権の移転の流れ」を指します。
つまり、「金銭の流れ=商流」としている記述は誤りです。
選択肢エ:
流通チャネルの流れの 1 つは情報の流れであり、情報流と呼ばれる。この情報には、製品に関しての情報だけでなく、在庫情報、店頭における消費者の需要に関する情報などが含まれ、供給と需要とを結びつける役割を果たしている。
〇適切です。
情報流には製品情報や販売実績、消費者ニーズなどが含まれ、供給者と需要者間をつなぐ役割を担います。
選択肢オ:
流通チャネルの流れの 1 つは製品の実際の流れであり、物流と呼ばれる。例えば一般的な製品はメーカーの工場で生産され、物流機能によって卸などを経て小売りへ運送され、小売店の店頭に陳列され、消費者が購入する。
〇適切です。
物流とは、メーカーから消費者への流通過程として、製品が実際に物理的に移動する流れのことを指します。
以上から、今回は不適切な選択肢を選ぶ問題ですので
正解は選択肢ウです。
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