【過去問解説(企業経営理論)】R7 第20問 リーダーシップ理論 #中小企業診断士試験

今日は、企業経営理論 R7 第20問について解説します。

企業経営理論 R7 第20問

リーダーシップ理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア F. フィードラーの研究によると、状況好意性が極めて好ましい場合と極めて好ましくない場合は、人間関係志向型のリーダーの方がタスク志向型のリーダーよりも高業績をあげる傾向がある。
イ オハイオ研究によると、有効なリーダーシップの行動特性を表す「構造づくり」と「配慮」は互いにトレードオフの関係にあり、それらを両立させることは不可能である。
ウ サーバント・リーダーシップ理論によると、サーバント・リーダーシップの成立要件とは、リーダーが何を要求しているかにメンバーが常に注意を向け、リーダーに対して自己犠牲的な行動をメンバーがとることである。
エ パス・ゴール理論によると、リーダーがメンバーあるいは業務環境に欠けている要因を補完する行動をとった場合に、メンバーの業績と満足度は上昇する傾向がある。
オ リーダー・メンバー交換理論(LMX 理論)によると、リーダーと個々のメンバーとの間で結ばれる個別の交換関係の質ではなく、リーダーとメンバー集団全体との間で結ばれる包括的な交換関係の質が、メンバーの態度や行動に影響を与えるとされる。

解説

リーダーシップ理論に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢を見ていきましょう。

選択肢ア:F.フィードラーによると、状況好意性が極めて好ましい場合と極めて好ましくない場合は、人間関係志向型の方が高業績をあげる。
→ ❌ 誤りです。
状況好意性が「極めて良い/極めて悪い」場合に高業績なのはタスク志向型であり、人間関係志向型ではありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:オハイオ研究では、構造づくりと配慮はトレードオフであり両立できない。
→ ❌ 誤りです。
オハイオ研究では構造づくりと配慮は独立した二軸で、両方高いリーダーが優れているとされます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:サーバント・リーダーシップでは、メンバーがリーダーに対して自己犠牲的な行動をとることが成立要件である。
→ ❌ 誤りです。
サーバント・リーダーシップはリーダーが奉仕者としてメンバーを支援する姿勢を重視し、メンバーの自己犠牲を求める理論ではありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:パス・ゴール理論では、リーダーがメンバーや状況に欠けている要因を補完する行動をとると、業績や満足度が高まる。
→ ✅ 正しいです。
パス・ゴール理論は、リーダーは集団の環境的条件や部下の要因によって適切なパス(必要な道)を示し、ゴール(業務目標)の達成を助けるべきという考え方です。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢オ:LMX理論では、リーダーと集団全体との包括的な交換関係の質がメンバーの態度に影響するとされる。
→ ❌ 誤りです。
リーダーメンバー交換(LMX:Leader-Member eXchange)理論は、リーダーとメンバーの関係に着目した理論です。この理論は、組織の規定に基づいた上下関係を外集団、単なる上下関係以上の関係を内集団とし、リーダーはより多くのメンバーを内集団へと移行させるよう関係を構築すべきと考えます。
LMX理論で重視するのはリーダーと個々のメンバーとの交換関係です。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢エとなります。

 

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