【過去問解説(企業経営理論)】R7 第32問 (設問1)外部環境分析

今日は、企業経営理論 R7 第32問(設問1)について解説します。

企業経営理論 R7 第32問(設問1)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

企業は有望な機会を特定したり、自社が直面している問題を把握したりする目的で、環境分析を行っている。企業による環境分析は、自社を取り巻く外部環境の分析と自社の経営資源に関わる内部環境の分析に分けられる。

(設問 1 )
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア PEST 分析は、企業動向に影響を与える人口動態的要因(people)、経済的要因(economy)、社会的要因(society)、技術的要因(technology)を分析する手法である。
イ SWOT 分析の 4 つの分析視点のうち、外部環境分析に該当するのはSとWの視点である。
ウ 業界内の競争状況を視覚的に分析する知覚マップ分析では、価格、製品多様性、地域展開などの客観的要素が分析軸として設定される。
エ ハーフィンダール・ハーシュマン指数の値が小さいほど、市場は完全競争につながっていく。
オ ファイブ・フォーシズは、分析者の主観が反映されにくい極めて客観的な枠組みであり、分析結果の信頼性が高い。

解説

外部環境に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

「選択肢ア:PEST 分析は、企業動向に影響を与える人口動態的要因(people)、経済的要因(economy)、社会的要因(society)、技術的要因(technology)を分析する手法である。
→ ❌ 誤りです。
PEST分析は、政治的要因(Politics)経済的要因(Economy)社会的要因(Society)技術的要因(Technology)を分析します。
選択肢では、Pを「人口動態的要因(people)」としていますが、正しくは「政治的要因(Politics)」です。
よって、この選択肢は×です。」
「選択肢イ:SWOT 分析の 4 つの分析視点のうち、外部環境分析に該当するのはSとWの視点である。
→ ❌ 誤りです。
SWOT分析のうち、外部環境分析に該当するのはO(機会)T(脅威)です。
S(強み)とW(弱み)は内部環境分析に該当します。
よって、この選択肢は×です。」
「選択肢ウ:業界内の競争状況を視覚的に分析する知覚マップ分析では、価格、製品多様性、地域展開などの客観的要素が分析軸として設定される。
→ ❌ 誤りです。
知覚マップ分析ではなく、正しくはポジショニングマップ分析の説明です。
ポジショニングマップ分析は、価格や製品多様性などの客観的要素を分析軸として設定し、業界内の競争状況を視覚的に分析します。
一方、知覚マップ分析は消費者の主観的な知覚に基づく分析であり、異なる手法です。
つまり、「知覚マップ分析」ではなく、「ポジショニングマップ分析」が正しいです。
よって、この選択肢は×です。」

「選択肢エ:ハーフィンダール・ハーシュマン指数の値が小さいほど、市場は完全競争につながっていく。
→ ✅ 正しいです。
ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)は、市場集中度を示す指標であり、値が大きいほど少数の企業に市場が集中しています。
逆に、値が小さいほど競争が分散し、市場は完全競争に近づくことを意味します。

よって、この選択肢は〇です。」
「選択肢オ:ファイブ・フォーシズは、分析者の主観が反映されにくい極めて客観的な枠組みであり、分析結果の信頼性が高い。
→ ❌ 誤りです。
ファイブ・フォーシズ=ファイブ・フォース分析は、業界構造を理解するための有効な枠組みですが、分析には主観的判断も伴います
したがって、主観が反映されにくいわけではありません。
よって、この選択肢は×です。」

✅ 以上から、正解は選択肢エとなります。

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