【過去問解説(情報)】R1 第7問 システム構成技術

今日は、情報システムの R1 第7問について解説します。

 情報 R1 第7問

中小企業においても、複数のコンピュータを用いてシステムを構築することが少なくない。
そのような場合のシステム構成に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア クライアントサーバシステムのクライアントで、データの処理や保管などの多くの機能を担うように構成したシステムをシンクライアントシステムという。
イ システムを 2 系統用意し、常に同じ処理を行わせ、その結果を相互に照合・比較することで高い信頼性を実現できるようにしたシステムをミラーリングシステムという。
ウ ネットワーク上で対等な関係にあるコンピュータを相互に直接接続し、データを送受信するように構成したシステムをグリッドコンピューティングシステムという。
エ 複数のコンピュータを相互に接続し、あたかも 1 台の高性能なコンピュータのごとく利用できるように構成したシステムをクラスタリングシステムという。

解説

システム構成技術に関する問題です。
各選択肢ごとにまとめシートの内容に沿って解説していきます。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。クライアントサーバシステムの構成には、以下2種類があります。

選択肢の内容は、ファットクライアント(2層アーキテクチャ)の説明となります。シンクライアント(3層アーキテクチャ)とは、処理をデータベース層、ファンクション層、プレゼンテーション層の3層に分けて⾏う構成となっており、各層の開発を並⾏して⾏うことができ、各層が独⽴しているため保守性が⾼いという点がメリットです。クライアント側の処理が軽いためファットクライアントに対しシン(痩せた)クライアントと呼ばれます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。障害対策はHDD用と、システム用でそれぞれ異なります。選択肢の説明は、デュアルシステムに関するものです。
なお、ミラーリングとは、以下のようにHDDを⼆重化することで、⼀⽅のHDDに障害が起こった場合でも、問題が発⽣しないようにする対策です。


一見合ってそうに見えますが、このように似たような技術がある場合は、細かい説明をよく確認し用語が入れ替わっていないか注意する必要があります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。グリッドコンピューティングとは、ネットワークにより多くのコンピュータをつなぐ(=グリッドを形成する)ことで、仮想的な⾼性能のコンピュータのように利⽤する⽅法です。

よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。クラスタリングは、物理的には複数に分かれているコンピュータを1台のように扱う技術です。複数のコンピュータで分散して処理をしているため、1台のコンピュータが故障しても他のコンピュータで補うことで信頼性を向上できます。ちなみに、クラスタリングに対して、ロードシェアシステムは、複数のコンピュータに負荷を分散させて処理効率や信頼性向上を図る⽅法です。負荷は分散させますが、各コンピュータはそれぞれ独⽴したコンピュータとして扱われます。


よって、この選択肢は〇です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

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