今日は、経営法務 R7 第10問について解説します。
経営法務 R7 第10問
特許法第 65 条第 1 項に規定する補償金の支払を請求することができる権利(以下「補償金請求権」という。)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 出願公開後に特許出願が放棄された場合でも、補償金請求権は消滅しない。
イ 特許出願人は、出願公開後に特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしなければ、出願公開後、特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、補償金請求権を一切行使できない。
ウ 補償金請求権は、特許権の設定の登録があった後でなければ、行使することができない。
エ 補償金請求権を行使した場合は、特許権は行使できない。
解説
補償金請求権に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
補償金請求権とは、特許権出願公開後与えられるもので、第三者がその発明を実施した場合には、その発明の実施料相当額を請求することができるものです。また、出願公開までの期間は出願人(それ以外は不可)による請求で短縮することができます。なお、この請求は取り下げることはできません。
補償金請求権はあまり聞き慣れないので、本番で対応が難しかったかもしれませんが、できれば消去法で正解に辿り着きたいです。
それでは選択肢を見ていきましょう。
選択肢ア:出願公開後に特許出願が放棄された場合でも、補償金請求権は消滅しない。
→ ❌ 誤りです。
補償金請求権は、最終的に特許権が設定登録されて初めて行使できます。
出願を放棄すれば特許権は成立しないため、補償金請求権も成立しません。
よって、この選択肢は×です。
→ ❌ 誤りです。
補償金請求権は、最終的に特許権が設定登録されて初めて行使できます。
出願を放棄すれば特許権は成立しないため、補償金請求権も成立しません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:特許出願人は、出願公開後に特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしなければ、出願公開後、特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、補償金請求権を一切行使できない。
→ ❌ 誤りです。
確かに補償金請求には警告(書面の提示)が必要ですが、「一切行使できない」という強い表現はひっかかります。
少し怪しいので、一旦パスして次に進んでもOKです。
よって、この選択肢は×です。
→ ❌ 誤りです。
確かに補償金請求には警告(書面の提示)が必要ですが、「一切行使できない」という強い表現はひっかかります。
少し怪しいので、一旦パスして次に進んでもOKです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:補償金請求権は、特許権の設定の登録があった後でなければ、行使することができない。
→ ✅ 正しいです。
補償金請求権の「行使(請求)」は特許権の設定登録後に可能です。
よって、この選択肢は〇です。
→ ✅ 正しいです。
補償金請求権の「行使(請求)」は特許権の設定登録後に可能です。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:補償金請求権を行使した場合は、特許権は行使できない。
→ ❌ 誤りです。
補償金請求権は、特許権が成立する前の実施に対する補填です。
補償金請求権を行使したからといって、後の特許権の効力が失われることはありません。
よって、この選択肢は×です。
→ ❌ 誤りです。
補償金請求権は、特許権が成立する前の実施に対する補填です。
補償金請求権を行使したからといって、後の特許権の効力が失われることはありません。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢ウとなります。
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