【過去問解説(経済学)】H27 第6問 IS-LM分析

今日は、経済学 H27 第6問について解説します。

 経済学 H27 第6問

拡張的な財政政策、たとえば政府支出の拡大は、下図の IS 曲線を IS から IS′ へとシフトさせる。ただし、Y は GDP、r は利子率である。下図に関する説明として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 政府支出拡大の結果、利子率の上昇によって投資が減少するため、GDP は Y1となる。
b E2 では、貨幣市場において、貨幣の超過供給が発生している。
c 「r1 – r0」で表される利子率の上昇は、政府支出拡大による、貨幣の取引需要増加の結果生じた。
d 「Y1 – Y0」が政府支出の拡大分に相当する。

〔解答群〕
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd 

解説

IS-LM分析に関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

:その通りです。このような現象をクラウディングアウトといいます。本問の場合、Y0からY2まで国⺠所得を上げるつもりで財政政策を⾏い、IS曲線をIS*までシフトしたとき、当初r0だった利⼦率がr1まで上がってしまったため、投資が減少します。その結果、GDPがY1までしか増えなかったとことになり、利⼦率の上昇により政府⽀出の効果が⼩さくなります。
よって、この選択肢は〇です。

:誤りです。LM曲線の下側の利子率とGDPの交点であるE2の場合、貨幣市場において、貨幣の超過需要が発生します。
よって、この選択肢は×です。

:その通りです。選択肢a同様、政府支出の拡大で貨幣の取引需要が増加し、利子率がr1 – r0に増加したため、クラウディングアウトが生じています。
よって、この選択肢は〇です。

:誤りです。「Y1 – Y0」は総需要の増加分によるGDPの増加分であり、政府支出の拡大分ではありません。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正しい組み合わせはですので
正解は選択肢アとなります。

 

 

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