【過去問解説(運営管理)】H29 第27問 相乗積

今日は、運営管理 H29 第27問 について解説します。

 運営管理 H29 第27問

店舗Xにおける商品カテゴリー別の売上高と粗利高を示した次の表を見て、この店舗における今後の販売計画を検討する際の考え方に関する記述として最も適切なものを、下記の解答群から選べ。
ただし、値引きや廃棄ロスを考慮せず、商品カテゴリーごとの粗利益率は変動しないものとする。

[解答群]
ア カテゴリーbの売上高が表の数値の2倍になり、他のカテゴリーの売上高が変わらない場合、カテゴリーbの相乗積はカテゴリーaより高くなる。
イ カテゴリーcの売上高が表の数値の2倍になり、他のカテゴリーの売上高が変わらない場合、カテゴリーcの相乗積は2倍になる。
ウ カテゴリーeの売上高が表の数値の2倍になり、他のカテゴリーの売上高が変わらない場合、店舗全体の粗利益率は高まる。
エ すべてのカテゴリーの売上高が表の数値からそれぞれ 10 %ずつ増えた場合、相乗積がもっとも増加するのはカテゴリーcである。
オ すべてのカテゴリーの売上高が表の数値からそれぞれ 100 万円ずつ増えた場合、カテゴリーそれぞれの相乗積は変わらない。

解説

相乗積に関する問題です。
相乗積については、まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。
本問のような大量の計算がある場合のテクニックですが、全ての選択肢を順番に計算していくのではなく今回であれば相乗積の問題なので①相乗積の計算が不要なもの②相乗積の計算が少なくて済むものを優先して解いていきます。

それでは、①の相乗積の計算が不要なものを探します。
選択肢ウ:カテゴリーeの売上高が2倍=700×2=1,400万円となり、店舗全体の粗利益率=2,140/5,700=37.5%となり店舗全体の粗利益率は高まります。
ちなみに、さらに計算を不要にするテクニックとして、カテゴリーeの元の粗利益率は店舗全体の元の粗利益率36.5%よりも高いため、eの売上があがることにより店舗の粗利益率をさらに向上させます。
よって、この選択肢は〇です

この時点で選択肢ウで確定ですので、本番ではこれでOKですが念のため他の選択肢も解説します。

選択肢ア:誤りです。カテゴリーbの売上高が表の数値の2倍になった場合、売上構成比は2,000/6,000=33.3…%ですので、相乗積は25%×33.3%=(約)8.25%となり、カテゴリーaより低いままです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。/その通りです。誤りです。カテゴリーcの売上高が表の数値の2倍になった場合、売上構成比は1,200/5,600=21.4..%ですので、相乗積は21.4%×50%=(約)10.7%となり、2倍ではありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。まず粗利益率については、すべてのカテゴリーの売上高が表の数値からそれぞれ 10 %ずつ増えた場合でも、粗利益率は変化しません。次に売上高構成比についても、全てのカテゴリーで同様に10%増加するため、構成比に変化はなく、結果として相乗積(粗利益率×売上高構成比)は一定のままです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:誤りです。すべてのカテゴリーの売上高が表の数値からそれぞれ 100 万円ずつ増えた場合、売上高構成比は変化します。更に、粗利益率も変化するため、結果としてカテゴリーそれぞれの相乗積も変化します。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

 

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