今日は、運営管理 R6 第8問について解説します。
設備管理に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 設備の故障は、①設備が規定の機能を失った状態と、②設備による産出物または作用が規定の品質レベルに達しなくなった状態、の 2 つに分類される。
b 設備総合効率は、時間稼働率、故障強度率、良品率の積として計算される。
c 保全活動は、予防保全と事後保全からなる維持活動と、改良保全と保全予防からなる改善活動から構成される。
d 設備の 7 大ロスには、設備の段取・調整ロスと刃具交換ロスが含まれる。
e 設備の可用率は、MTTR を MTBF と MTTR の和で除した値として求められる。
〔解答群〕
ア a:正 b:正 c:誤 d:誤 e:正
イ a:正 b:誤 c:正 d:誤 e:誤
ウ a:誤 b:正 c:誤 d:正 e:正
エ a:誤 b:誤 c:正 d:正 e:誤
オ a:誤 b:誤 c:誤 d:正 e:誤
解説
設備管理に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
a:設備の故障は、①設備が規定の機能を失った状態と、②設備による産出物または作用が規定の品質レベルに達しなくなった状態、の 2 つに分類される。
→ 誤り
いきなりちょっとマニアックな問題が登場しました。判断に迷うようであれば一旦スルーでOKです。
ちなみに、設備の故障の分類は通常、「機能喪失故障(ハード故障)」と「性能低下故障(ソフト故障)」に大別されます。この設問の「②設備による産出物または作用が規定の品質レベルに達しない状態」は性能低下故障に近い表現ですが、分類として正確に示しているとはいえず、専門的分類と一致しないため誤りとされます。
b:設備総合効率は、時間稼働率、故障強度率、良品率の積として計算される。
→ 誤り
設備総合効率は、以下の3つの指標の積で表されます:
時間稼働率、性能稼働率、良品率
「故障強度率」は誤りです。
c:保全活動は、予防保全と事後保全からなる維持活動と、改良保全と保全予防からなる改善活動から構成される。
→ 正しい
保全活動は次の2つの軸から成り立ちます:
維持活動:予防保全(定期保全・予知保全)+事後保全(故障してから対応)
改善活動:改良保全(設計改善・修理しやすい構造への変更)+保全予防(保全が不要となる設備設計)
選択肢d:設備の 7 大ロスには、設備の段取・調整ロスと刃具交換ロスが含まれる。
→ 正しい
設備の7大ロスは以下の7項目です。
故障ロス
段取・調整ロス
刃具交換ロス(準備時間・工具交換等)
立ち上がりロス
チョコ停・空転ロス
速度低下ロス
不良ロス
e:設備の可用率は、MTTR を MTBF と MTTR の和で除した値として求められる。
→ 誤り
可用率=MTBF÷(MTBF+MTTR)で表せます。
なお、運営管理では、この手の公式についての説明が選択肢で度々登場します。
XをYで除す、とはX÷Y、分数で表すとX/Yとなります。
表現に慣れ、言い換えにも対応できるようにしておきましょう。
✅ まとめ
a (誤) 故障の分類が正確でない
b (誤) 性能稼働率を誤記
c (正) 維持+改善活動の構成は正しい
d (正)段取・調整ロスと刃具交換ロスは7大ロスに含まれる
e (誤)可用率の計算式が誤り
以上から正解は選択肢エです。
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