【過去問解説(運営管理)】R7 第3問 制約理論(TOC)

今日は、運営管理 R7 第3問について解説します。

運営管理 R7  第3問

制約理論(TOC)の考え方に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a ボトルネック工程の改善を進めることで、新たなボトルネック工程が現れることがある。
b すべての工程の生産速度を、ボトルネック工程の生産速度に合わせるようにする。
c システム全体のスループットを上げるために、ボトルネック工程より下流の工程の生産速度を上げるようにする。
d ボトルネック工程以外の作業時間改善でも、システム全体のスループットは向上する。

〔解答群〕
ア a:正  b:正  c:誤  d:正
イ a:正  b:正  c:誤  d:誤
ウ a:正  b:誤  c:誤  d:正
エ a:誤  b:正  c:正  d:誤
オ a:誤  b:誤  c:正  d:正

解説

制約理論(TOC)に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

制約理論(TOC:Theory of Constraints)とは、生産や業務プロセスにおいて、制約となる箇所であるボトルネックを特定し、そこを重点的に改善・管理することで、スループット、つまり、生産や業務プロセス全体のパフォーマンスを最大化させようという理論です。
「選択肢a:ボトルネック工程の改善を進めることで、新たなボトルネック工程が現れることがある。
→ ✅ 正しいです。
 制約理論(TOC)では、全体のスループットを制約している工程(=ボトルネック)を特定し、そこを重点的に改善します。ボトルネックが解消されると、他の工程が新たな制約となることがあります。
よって、この選択肢は〇です。」
「選択肢b:すべての工程の生産速度を、ボトルネック工程の生産速度に合わせるようにする。
→ ✅ 正しいです。
制約理論では、システム全体のスループットはボトルネック工程の能力で決まります。したがって、他の工程がいくら高速でも全体の効率は上がらないため、全体の生産速度をボトルネック工程に合わせるのが原則です。
よって、この選択肢は〇です。」

「選択肢c:システム全体のスループットを上げるために、ボトルネック工程より下流の工程の生産速度を上げるようにする。
→ ❌ 誤りです。
制約理論では、ボトルネック工程より上流の工程の生産速度や投入量の調整によって、ボトルネックへの負荷を最適化します。
つまり、ボトルネックより下流を改善してもスループットは向上しません。
したがって、「ボトルネック工程より下流の工程の生産速度を上げるようにする」という記述は誤りです。
よって、この選択肢は×です。」

「選択肢d:ボトルネック工程以外の作業時間改善でも、システム全体のスループットは向上する。
→ ❌ 誤りです。
システム全体のスループットは、ボトルネック工程の能力で決まります。
したがって、ボトルネック工程そのものの作業時間を改善しなければスループットは向上しません。
ボトルネック以外の改善は在庫増大などのムダを招くだけです。
よって、この選択肢は×です。」

✅ 以上から、正しい組み合わせはa:正  b:正  c:誤  d:誤 ですので
正解は選択肢イとなります。

 

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