【過去問解説(企業経営理論)】R7 第30問 価格戦略

今日は、R7 企業経営理論 第30問について解説します。

 R7 企業経営理論 第30問

 プライシングに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 価格を消費者による「支出の痛み」として捉えれば、価格は安いほど売れ行きは 伸びることになるが、他方で価格を「品質のバロメーター」や「プレステージ」として捉えれば、必ずしも安い価格の方が売れ行きが伸びるとは言えない。

イ 顧客によって異なる価格を提示するプライシングは、鉄道サービスにおける学割やホテル業界におけるメンバーシップ制度などに見られるように古くから行わ れてきたが、時期によって価格を変えるプライシングが行われるようになったのは、デジタル・マーケティングによるダイナミック・プライシングが浸透した近年になってからである。

ウ サブスクリプションは、製品やサービスの所有権の移転を行わずに使用する権利だけを販売するものであり、音楽や映像などがデジタル化され所有権の移転を行わずに転送できるようになったことなどに示されるように、デジタル時代になって誕生した新しい契約形態である。

エ 自社製品を有利に扱ってくれる流通業者に対して、メーカーは割引価格などの 金銭的見返りを提供することが多い。そのうち短期的な金銭的見返りは一般的にリベートと呼ばれ、長期的に提供されるアローワンスと区別される。

解説

価格戦略に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

 

選択肢ア:価格を消費者による「支出の痛み」として捉えれば、価格は安いほど売れ行きは 伸びることになるが、他方で価格を「品質のバロメーター」や「プレステージ」として捉えれば、必ずしも安い価格の方が売れ行きが伸びるとは言えない。
→ ✅ 正しいです。

  • 価格は単に「安ければいい」というものではありません。名声価格(威光価格)のように消費者心理では、価格が「品質のシグナル」や「ステータス」として機能することがあります。例えば、高級ブランドは価格が高いからこそ価値を感じて買われます。

よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:顧客によって異なる価格を提示するプライシングは、鉄道サービスにおける学割やホテル業界におけるメンバーシップ制度などに見られるように古くから行わ れてきたが、時期によって価格を変えるプライシングが行われるようになったのは、デジタル・マーケティングによるダイナミック・プライシングが浸透した近年になってからである。
→ ❌ 誤りです。

  • 時期による価格差、つまり「季節料金・ピーク料金」は昔からあります。
    例:航空券の繁忙期料金、ホテルのシーズン料金、電気料金の時間帯別価格など。
    デジタル技術で細かく制御できるようになったのは最近ですが、考え方自体は古くから存在します。

よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:サブスクリプションは、製品やサービスの所有権の移転を行わずに使用する権利だけを販売するものであり、音楽や映像などがデジタル化され所有権の移転を行わずに転送できるようになったことなどに示されるように、デジタル時代になって誕生した新しい契約形態である。
→ ❌ 誤りです。

  • サブスクリプション(利用権販売)はデジタル時代に限らず、レンタルビデオ店の会員制見放題プラン(月額固定で一定本数までレンタル可)、スポーツジムの月会費(施設の利用権)など、古くから存在していました。音楽や映像の配信で爆発的に広がったのはデジタル化以降ですが、「契約形態として新しい」という説明は不正確です。

よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:自社製品を有利に扱ってくれる流通業者に対して、メーカーは割引価格などの 金銭的見返りを提供することが多い。そのうち短期的な金銭的見返りは一般的にリベートと呼ばれ、長期的に提供されるアローワンスと区別される。
→ ❌ 誤りです。

  • 短期、長期という区別ではなく、リベートは仕入・販売金額等の実績に対する「割戻し」であり、アローワンスは新商品のエンド陳列1週間の対価、折込チラシの協賛金等の特定の販促活動・協力の「対価」です。

よって、この選択肢は×です。

 

✅ 以上から、正解は選択肢アとなります。

 

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