【過去問解説(企業経営理論)】H28 第11問 (2) 製品アーキテクチャ

今日は、企業経営理論のH28 第11問 (2) について解説します。

企業経営理論 H28 第11問 (2)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

ものづくりに強みをもつといわれているわが国の製造業であるが、近年大きな変化が見られるようになってきた。
エレクトロニクスメーカー各社の苦境が伝えられており、エレクトロニクスメーカー各社では、事業分野の再構築を図る動きが活発
である。
自動車産業では、国内市場が縮小するなか、グローバルな競争に対応すべく生産拠点の海外移転や現地での研究開発の展開など大きな変化が見られる。また、自動車のモジュール生産が本格化してきており、系列による垂直統合型の生産に変化が起こっている。さらに、環境対応技術や自動運転技術の開発が進むにつれて、自動車産業のサプライヤーにも技術の変化への対応が求められるようになっている。

(設問2)
文中の下線部②のわが国における自動車のモジュール生産の進展とそれにともなう生産体制の変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア モジュール生産の進展にともなって、アジア域内の現地中堅サプライヤーが生産するエンジンやパワートレイン等の大型のモジュール部品を一か所に集約して、そこからアジアの生産拠点に供給する配送システムが構築されている。
イ モジュール生産の進展にともなって、車種間でのプラットフォームの統合を進めて、生産の規模の経済や部品や設備の共通化による生産コストの低減が行われるようになっているが、一次サプライヤーの供給する部品点数は変わらない。
ウ モジュール生産の進展にともなって、車種間で共用化を進める基本部分と多様化のための可変的な部分を切り分ける生産体制がとられるようになるにつれて、サプライヤーはこのような生産体制に柔軟に対応する部品供給が求められるようになった。
エ モジュール生産の進展にともなって、部品間の擦り合わせの頻度が高まってくるので、組立メーカーでは完成車組立工場の敷地内にサプライヤーを集積させたサプライヤー・パークを設ける例がみられるようになった。

解説

製品アーキテクチャに関する問題です。
それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。自動車産業は代表的なインテグラル(摺り合せ)型アーキテクチャの例であり、その中でもパワートレインのような大型部品については、選択肢のような大型のモジュール部品を一か所に集約して、各生産拠点に供給する配送システムには適さないと考えられます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。生産の規模の経済や部品や設備の共通化による生産コストの低減を図った場合、一次サプライヤーの供給する部品点数は減少すると考えられます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。選択肢ア、イで説明の通り、自動車産業は代表的なインテグラル(摺り合せ)型アーキテクチャの例ではありますが、小さい部品などについては共通化を進めるなど柔軟な対応が求められるといえます。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:誤りです。モジュール生産が進むということは、部品の共通化がより高まるということですので、部品間の擦り合わせの頻度は減少します。
よって、この選択肢は×です

以上から、正解は選択肢ウとなります。

設問1の解説はこちら

 

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