【過去問解説(財務・会計)】R6 第22問 貨幣の現在価値

今日は、財務・会計 R6 第22問 について解説します。

財務・会計 R6 第22問

D社の第 11 期期首において、第 11 期から第 13 期までのフリー・キャッシュフローは毎期末 200 百万円の定額であり、それ以降のフリー・キャッシュフローの成長率は毎期4 % で一定と予測されている。
このとき、第 14 期以降のフリー・キャッシュフローの第 11 期期首における現在価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、計算の結果が割り切れない場合には、小数第1 位を四捨五入すること。なお、資本コストは8% で
あり、その複利現価係数と年金現価係数は以下のとおりである。

〔解答群〕
ア 3,675 百万円
イ 3,822 百万円
ウ 3,970 百万円
エ 4,129 百万円

解説

貨幣の現在価値に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

まずは、問題の前提を整理します。
  • 第11期末~第13期末の FCF:各期 200 百万円(今回は無視してよい。聞かれているのは第14期以降分の現在価値)

  • 第14期以降の FCF 成長率:毎期 4%

  • 資本コスト r:8%

  • 成長率 g:4%

  • 求めるもの:第14期以降の FCF の「第11期期首」における現在価値

1. 第14期以降フリーキャッシュフローの 1 期目の金額

第11~13期は 200 百万円で一定
第14期から成長率 4% なので、第14期末の FCF は

  • FCF14 = 200 × 1.04 = 208 百万円

2. 第14期以降が 4% 成長を続ける部分の価値

成長率 g の定率成長をするキャッシュフローの現在価値は

  • PV = 最初のキャッシュフロー ÷ (r − g)

なので、第14期以降の定率成長4%部分の価値は、まず

  • 208 ÷ (0.08 − 0.04)
    = 208 ÷ 0.04
    = 5,200 百万円

これは「将来時点」における第14期以降キャッシュフローのまとめた価値です。

3. 第11期期首への割引

第11期期首から見ると、第14期末は 4 年後のキャッシュフローです。

したがって、5,200 百万円を
資本コスト 8% の「4年分の複利現価係数」で割り引きます。

  • 8%、4年の複利現価係数を 0.735 とすると

    現在価値 = 5,200 × 0.735
         = 3,822 百万円(小数第1位四捨五入)

よって、第14期以降のフリーキャッシュフローの第11期期首における現在価値は 3,822 百万円 となります。

✅ 以上から、正解は選択肢イとなります。

 

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