【過去問解説(企業経営理論)】H25 第9問 海外展開

今日は企業経営理論H25第9問の海外展開の問題について解説します。

 

H25 第9問

産業の空洞化が進行したり、国内市場が縮小したために、国内にとどまる中小企業は販売の低迷に直面する例が多くなっている。他方、拡大するアジアの市場を目指して海外進出する企業にも数々の問題が発生している。このような状況に直面する中小企業の対応に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア アジアの進出予定国のカントリーリスクを分析するとともに、現地人の採用は生産現場の雇用期限付きの賃労働者に限定し、現地人の幹部や現場指導者の登用は能力と適性を見て判断する。
イ 親企業の要請に応えて海外進出する場合、親企業の指導や支援を受けることができることを前提に、外国企業向け工業団地に工場を設け、そこに償却済みの設備を持ち込んで、単純な工程からなる少数の生産品目から開始する。
ウ 海外から安価な原材料や部品を輸入して販売コストの低減を図るとともに、余剰人員の合理化による賃金コストの削減を図り、収益の改善を目指す。
エ 特定の工業部品の製造販売に特化していたために、その部品の売上が低迷した中小企業は、生産設備をすべて売却して、アジアの新興国で評判の汎用商品を輸入して流通市場に参入するという成長戦略を展開する。

解説

今回は最も不適切な選択肢を選ぶ問題です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アはその通りです。
海外進出の際は政治や経済情勢の安定性に関するカントリーリスクへの対応を考慮する必要があります。

選択肢イもその通りです。
経営資源の少ない中小企業が海外進出する場合は、親企業のサポートが得られる場合はそれを活用し、リスクを抑えて参入することが望ましいでしょう。

選択肢ウも特に問題はありません。
価格競争の激化に対応するためには、コスト削減のための取組みが求められています。

選択肢エについては、製造業から急に流通市場に参入し、これまで生産ていた特定の工業部品とは異なる汎用品を扱うという方向転換は、その会社が持つ強みを活かしにくいと考えられます。さらに、汎用部品は既に多くの事業者が参入していると考えられ、競争が激しいことが予想されるため、あまり適切な成長戦略とは言えません。よってこの選択肢は×と考えられます。

以上から正解は選択肢エとなります。

 

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