今日は企業経営理論H27第21問から組織文化に関する問題について解説します。
H27 第21問
組織文化の機能やその変容に適したメカニズムは、組織の発展段階に応じて異なる。組織文化の機能と変容メカニズムに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 垂直統合や多角化を通じて組織が成長初期段階に達すると、下位組織文化が発達し始め、組織文化は組織のアイデンティティーの源泉としての機能を持つようになる。
イ 成熟段階の組織において、組織文化がイノベーションを妨げるものに転嫁した場合、スキャンダルや神話の構築を使った組織文化の変革手法が有効になる。
ウ 創業者やその家族が支配している創業段階の組織では、組織文化を変革するためには、組織開発などの手法が効果的である。
エ 組織の創業段階では、組織文化はまだ明確ではなく十分機能しないため、組織構造面での精緻な統制が必要である。
オ 組織が成熟段階に達し、パラダイム・レベルでの深い組織文化の変革が必要な場合には、首脳陣の大量交代や組織構造の再編成などの方法が有効である。
解説
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
日本語がわかりにくい文章が多いですが、そのような場合は文章の一部を区切りながら、因果関係が成立するかどうかをチェックすると、混乱しにくいです。
選択肢アは、「組織が成長初期段階に達すると、下位組織文化が発達し始め」とありますが、下位組織文化が発達し始めるのは成長初期段階ではないためこの選択肢は×です。
選択肢イは、成熟段階の組織において、組織文化がイノベーションを妨げるものに転嫁した場合、スキャンダルを使った組織文化の変革手法は有効ですが、神話の構築は逆にイノベーションを妨げる方向に働くため、この選択肢は×です。
選択肢ウは、創業者やその家族が支配している創業段階の組織は、そもそも組織文化を変革する必要がありません。そのため、この選択肢は×です。
選択肢エは、組織の創業段階では、まだ組織構造面での精緻な統制が必要な段階ではありません。そのため、この選択肢は×です。
選択肢オは、その通りで、パラダイム・レベルでの深い組織文化の変革が必要な場合とは、組織をひっくり返すくらいの変革ですので、首脳陣の大量交代や組織構造の再編成などの抜本的な方法が有効となります。
以上から、正解は選択肢オとなります。
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