【過去問解説(企業経営理論)】H29第7問 価格戦略

今回は競争戦略についてです。競争戦略は二次でもしっかり頭に入れておきたい論点ですので、一次対策としてもしっかりやっておきたい論点です。

 

H29 企業経営理論 第7

企業の競争戦略と持続的な競争優位に関する記述として、最も不適切なものはどれか

ア 競争戦略の実行に不可欠な独自の経営資源を持ち、製品市場における規模の経済を実現できれば、代替製品の脅威は事業の収益性に影響を与えず競争優位の源泉となる。
イ 経路依存性のある経営資源は、模倣を遅らせることで市場における競争者の脅威から先発者を保護する。
ウ 顧客からの強い支持を受ける製品差別化は、競合他社との間の競争に勝ち抜く手段である以上に、他社との競争を可能な限り回避できる自社市場構築の手段となる。
エ 差別化した製品と標準的な製品の機能的な差が小さくなるほど、差別化した製品を選好する顧客の割合は低下するが、標準的な製品よりも高い価格を設定し、差別化した製品で高い収益性を確保しようとする場合、できるだけ多くの顧客を対象とすると戦略上の矛盾を生み出す。
オ スイッチング・コストの発生する状況では、買い手側は、現在使用する製品やサービスと他の代替的な製品・サービスと価格や機能が同じであったとしても、別のものとして見なす。

 

 

今回は最も適切なものではなく、最も不適切なものを当てる選択肢です。

親切に「最も不適切なものはどれか」と下線まで引いてくれていますが、それでも間違って適切な選択肢を選んでしまった、というミスは多いものです。

ミスを防ぐための一つの対策としては下の写真のように選択肢の横に大きな×を書いてしまうという方法があります。

こうすることで、視覚を使って自分に自分でアピールし、ミスを防ぎます。

 

 

それでは選択肢を見ていきましょう。

 

選択肢アは、「代替製品の脅威は事業の収益性に影響を与えず」とあります。

代替製品は直接の競合でないので、その脅威は予想外のところからやってきます。

そのため、例え独自の経営資源を持ち、製品市場における規模の経済を実現したとしても代替品の脅威から逃れることはできません。

そのため選択肢アが誤りです。

 

最も不適切なものを選ぶ問題はこのように、一つ間違いの選択肢を見つけられれば、選択肢を確定できるので楽です。

ただし、念のため他の選択肢も見てみます。

 

選択肢イは、VRIOのI、模倣困難性のうちの経路依存性についての話で特に問題なさそうです。

 

選択肢ウの差別化して競争を回避するという説明も特に問題なさそうです。

 

選択肢エは、ちょっと長い文章ですね。

その場合、検討しやすくするために文章を途中で区切ってそれぞれについて間違っていないかを確認します。

その際上の画像のように区切る部分に/(スラッシュ)を入れてそれぞれの文章で正しい/間違いを判断するとやりやすいです。

前半は製品が十分差別化できなくなったらその商品を選ぶ顧客の割合は低下するということなので○、後半もターゲットを絞って差別化した製品を高価格で売るというのとできるだけ多くの顧客を対象とするのは戦略的に矛盾するので○となり、この選択肢も正しいと考えられます。

 

選択肢オもスイッチングコストがあると、同じような製品でも乗り換えるときに一定のコストが発生するため別物とみなすということで○です。

 

以上からやはり選択肢アが正解となります。

 

 

 

 

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