【過去問解説(企業経営理論)】H28 第10問 特許の戦略的運用

今日は、企業経営理論 H28 第10問 について解説します。

 企業経営理論 H28 第10問

技術志向の企業では、企業価値に占める無形資産の割合が有形資産のそれを大きく上回る企業が多く見られ、知的資産の戦略的経営が注目されている。特に特許は守るだけでなく、企業価値を高めるべくそれを他社と相互に活用したりすることも重要になっている。特許の戦略的運用に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 特許をオープンライセンスすることは、ライセンスを許諾することによって自社技術基盤の上に他社製品をのせて、他社の代替技術開発のモチベーションを下げる効果を期待できるが、ロイヤルティ収入は期待できなくなる。
イ プロパテント戦略は特許侵害に対応すべく、訴訟に訴えて差止請求権や損害賠償請求権などの法的手段で特許を守る戦略であり、知財戦略の基本をなすものである。
ウ 包括クロスライセンス契約では、特定分野についてリスト化された特許の範囲で特許の相互利用が許されるが、その後成立した特定分野の特許についてはリストに加えることは法的に許されていない。
エ 包括クロスライセンス契約を結ぶのは、主として企業間で特許を相互に幅広く利用するためであり、契約提携企業間での金銭の授受を伴うこともある。

解説

特許の戦略的運用に関する問題です。
特許の戦略的運用を含む技術経営については、まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。特許をオープンライセンスすることで、他社がこのライセンスを使用する際に支払う使用料によるロイヤルティ収入は期待できます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。一般的に、プロパテントとは、特許権による保護を強くすること(特許重視)を指しますが、法的手段で特許を守る戦略ではありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。包括クロスライセンス契約において、成立した特定分野の特許についてはリストに加えることは当事者間の契約や戦略によるもので、法的な拘束力はありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。包括クロスライセンス契約は、あくまで契約であるため契約提携企業間での金銭の授受を伴うこともあります。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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