【過去問解説(企業経営理論)】H28 第32問 製品戦略

今日は企業経営理論H28第32問について解説します。

H28 企業経営理論 第32問

顧客が製品やサービスに求める価値は、基本価値、便宜価値、感覚価値と観念価値の4つに分けられる。これらの価値に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア すべての価値を一度に高められない場合、基本価値のレベルにかかわらず、ターゲットに応じて他の価値のいずれかを強化することが得策である。

イ 製品やサービスが顧客にもたらす基本価値や便宜価値は、普遍性や安定性が高く、顧客は価値を理解しやすい。したがって、顧客の満足を得るために企業担当者は、常に、機能を増やし、効用を高め続けることを強いられている。

ウ 製品やサービスの感覚価値は、顧客の客観的な優劣判断を困難にする。そのため、この価値を高めることで、企業は一般的に価格競争に巻き込まれやすくなる。

エ 入手の難しい高価なブランドにおいては、観念価値の作用する割合が大きく、ブランドの歴史や物語などの訴求を通じて、ブランドの高い価値を支えている。

解説

顧客が製品やサービスに求める価値についての問題です。
基本価値、便宜価値、感覚価値、観念価値とありますが、それぞれについて用語を知らなくても漢字の持つ意味を考えれば解答できる問題です。
このように、一見知らない用語に見えても漢字から推測できるという場合がありますので、すぐに諦めてしまわず、どうにか解けないか考えてみるようにしましょう。

それでは各選択肢を見ていきます。
選択肢アは、「基本価値のレベルにかかわらず、ターゲットに応じて他の価値のいずれかを強化することが得策」とありますが、基本的な価値を上げずに他の価値を上げることが本当に得策なのかと考えると、×ではないかと推測できます。

選択肢イは、前半の「製品やサービスが顧客にもたらす基本価値や便宜価値は、普遍性や安定性が高く、顧客は価値を理解しやすい。」はその通りだと考えられます。
しかし、「したがって、顧客の満足を得るために企業担当者は、常に、機能を増やし、効用を高め続けることを強いられている。」というのは現実に照らし合わせても考えにくく、×と考えることができます。

選択肢ウは、前半の「製品やサービスの感覚価値は、顧客の客観的な優劣判断を困難にする。」というのはその通りと考えられます。しかし、顧客が客観的に優劣判断しにくくなるからこそ、価格競争に巻き込まれなくなるため、「企業は一般的に価格競争に巻き込まれやすくなる」という記述は×であると考えられます。

選択肢エはその通りで、ブランドは、そのブランドの持つストーリーが高い価値を持ちます。

以上から、正解は選択肢エとなります。

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